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浦和と神戸がACL16強進出、横浜FMも首位キープ、川崎は初黒星で3位転落
2022年04月29日
AFCチャンピオンズリーグ(ACL)2022の東地区グループステージ第5節が4月27日(水)、28日(木)に各地で行われ、浦和レッズが3勝目を挙げて2位以内でのグループステージ突破が確定し、試合のなかったヴィッセル神戸も他グループの結果により16強進出が決定しました。横浜F・マリノスは3連勝でグループ首位を維持して突破に大きく前進しましたが、川崎フロンターレは今大会初黒星を喫して3位に後退し、1試合を残して突破が厳しい状況となりました。
グループFの浦和は27日(水)、タイのブリーラムでライオン・シティ・セーラーズ(シンガポール)と対戦し、交代出場のMF松尾佑介選手が2ゴールを決めるなど攻撃陣が躍動して6-0の快勝。今大会3勝目でグループ2位以内を確定しました。
浦和は試合序盤から攻撃を畳みかけ、前半14分に攻め上がったDF馬渡和彰選手がMFダヴィド・モーベルグ選手のスルーパスに反応して右足を振って先制します。その後もモーベルグ選手、FWアレックス・シャルク選手がMF小泉佳穂選手、MF関根貴大選手らと絡んで決定機を作り、相手ゴールを脅かしました。
ライオン・シティはGKの好セーブでこれをなんとか凌ぎますが、浦和は39分、個人技で相手を交わしたシャルク選手が決めて2-0で前半を折り返します。
後半に入っても浦和は勢いを維持。48分に小泉選手のクロスに合わせたモーベルグ選手が相手の裏を取って頭で合わせ、その4分後には関根選手のスルーパスに応じた小泉選手が左足を振って4-0とします。
さらに62分には、松尾選手が関根選手のパスを受けて抜け出して、交代出場から3分で追加点をマーク。松尾選手は後半アディショナルタイムにも、こぼれ球に反応してゴールを揺らし、浦和が圧勝で3試合ぶりの完封勝利です。
ノックアウトステージ進出には各グループ1位になるか、東地区5グループの2位の中で上位3チームに入らなければなりません。しかも、今大会はグループJが中国の上海海港の出場辞退を受けて3チーム編成となったため、公平性を求めて他グループでは4位との対戦成績を無効とする基準が加わっています。
浦和は、山東泰山(中国)に4-0で勝った大邸FCと勝点10で並びながら、大邸との直接対決の結果(1分1敗)で2位につけ、4位の山東泰山(中国)との対戦成績を除いた勝点を7としました。この結果、最終節を残してGとIのグループで2位の最大勝点がそれぞれ6と5で浦和に届かないため、浦和が5グループの上位3チームに入ることが決定。準優勝した2019年大会以来となる16強進出です。
浦和のリカルド・ロドリゲス監督は、「次のステージに進むためにゴールを取ることが大事な状況で、しっかりといいゴールがたくさん生まれた」と喜び、小泉選手も「チームとして個人としても次につながるいいゲームだった」と話しました。
浦和は最終節30日(土)の山東戦で、2連勝でのグループステージ締めくくりを目指します。
神戸も2位以内での突破が確定
グループJのヴィッセル神戸も、他グループの結果を受けて2位以内での突破が確定し、4強入りした2020年大会に続く16強進出が決定しました。
3チーム編成のグループで今節試合がなかった神戸は、3試合を終えて2勝1分の勝点7でグループ首位に立っています。最終戦を残してグループGとグループIの4位との対戦成績を除いた2位チームの最大勝点が神戸の7に及ばないため、2位の上位3チームに入ることが確定しました。
神戸のミゲル・アンヘル・ロティーナ監督は、就任早々に臨んでいる今大会でノックアウトステージ進出の目標に加え、チームモデルの浸透とプレーの質の向上という目標も設定しています。
スペイン出身の新指揮官は、「一つ目の目標を達成できたので、引き続き、残りの時間でチームの成長のために練習を重ねて良い形で終わりたい」と述べました。
この日、チェンライ・ユナイテッド(タイ)に3-2で勝った2位の傑志(香港)は勝点6。神戸は5月1日(日)の傑志との最終戦に引き分け以上であれば1位突破が決まります。
神戸のMF山口蛍選手は、「1位で通過したい。しっかり勝って終わって、Jリーグに良い流れをもっていきたい」と話しています。
横浜FM、2発快勝で突破に王手
横浜FMは28日(木)、ベトナムのホーチミン・シティで地元のホアンアイン・ザライと対戦し、MFマルコス・ジュニオールのPKとDF畠中槙之輔選手のゴールで2-0と快勝。グループH首位を維持して、1位突破をかけて2位の全北現代モータース(韓国)との最終戦に臨むことになりました。
試合開始からテンポのよいパスワークで組み立て、相手の最終ラインを突く攻撃でゴールチャンスを作ります。前半24分にはレオ・セアラ選手の鋭い縦パスを受けたMF仲川輝人選手がペナルティエリアに持ち込み、相手のファウルを受けてPKを獲得。これをマルコス・ジュニオール選手がしっかり決めて先制します。
後半もFW宮市亮選手やMF吉尾海夏選手、MF水沼宏太選手らをベンチから送り出して攻勢をキープ。レオ・セアラ選手のヘディングがポストに阻まれる場面など相手ゴールに迫りながら優勢に試合を進め、83分には右CKに畠中選手が頭で合わせて追加点を決めました。横浜FMは3戦連続での完封勝利です。
2位の全北はシドニーFC(オーストラリア)に3-2で勝利して勝点1差で横浜FMを追っていますが、全北との上位対決となる5月1日(日)の最終戦で横浜FMは引き分け以上で1位突破が決まります。
横浜FMのケビン・マスカット監督は、「簡単な試合ではなかったが、最高の試合を選手たちがやってくれた」と選手たちを称え、「試合ごとにフィジカルも内容も上がってきている。一試合一試合に集中して戦い、最後もいい形で締めくくりたい」と話しました。
川崎、蔚山に痛恨の初黒星
グループIの川崎は27日(水)、マレーシアのジョホールバルで蔚山現代(韓国)と対戦。2-3で敗れて今大会初黒星を喫し、首位から一転して3位に後退。1試合を残して16強進出が危ぶまれる状況になりました。
初戦で1-1と引き分けた蔚山に、川崎は立ち上がりから積極的に攻める姿勢を見せます。しかし、暑さも厳しい夕方17時キックオフの試合に動きが重く、MFヴァレリ・カザイシュヴィリ選手とFWレアンドロ選手を中心に堅守速攻で仕掛ける蔚山に、ここまで4試合で1失点の守備が崩されました。
前半14分に左サイドを崩されてFWレアンドロ選手に失点を許すと、その6分後には自陣でのバックパスをカザイシュヴィリ選手に奪われ、MFオム・ウォンサン選手が決めて2点のリードを許します。
川崎は40分にDF谷口彰悟選手のクロスをFWマルシーニョ選手が頭で折り返し、FWレアンドロ・ダミアン選手が右足ボレーで決めて1点を返しましたが、後半開始早々にカザイシュヴィリ選手に得点を許してしまいます。
川崎はFW小林悠選手、MFシミッチ選手、MF山村和也選手らをベンチから送り出して2トップに変更。さらにFW知念慶選手やFW宮城天選手も投入しますが、相手GKの好セーブもあってゴールを割ることができません。後半アディショナルタイムにダミアン選手が谷口選手の落としたボールを左足で捉えて2点目を決めましたが、2-3で敗れました。
ジョホール・ダルル・タクジム(マレーシア)が広州FC(中国)に2-0で勝利して勝点を10とし、勝点で並ぶ蔚山がジョホールとの直接対決の結果で2位。勝点8の川崎は1試合を残して3位に後退です。
蔚山との対戦成績が1分1敗の川崎は、勝点が並んだ場合には蔚山を上回ることができません。このため、川崎は30日(土)の最終戦で広州に勝って勝点3を積み重ね、蔚山とジョホールの結果と、他グループの結果に委ねる形になります。
川崎の鬼木監督は、「自分たちのミスやケアをしていたところで失点してしまい、難しくしてしまった」と話し、MF家長昭博選手は「まだ突破の可能性がなくなったわけではない。最後まで信じてやりたい」と話しました。
なお、グループGでは、U-23日本代表監督も務めた手倉森誠監督が率いるBGパトゥム・ユナイテッド(タイ)がメルボルン・シティ(オーストラリア)と0-0で引き分けて首位をキープ。2位のメルボルンに勝点2差のリードを維持しました。
パトゥムは4月30日の最終節で全南ドラゴンズ(韓国)に勝てば1位突破となり、引き分け以下の場合でも2位のメルボルンが引き分け以下であれば、1位での16強進出が決まります。
また、西地区では4月7日から始まったグループステージが27日に終了し、16強進出チームが出揃いました。
各グループ首位でアルヒラルFC(サウジアラビア)、アルシャバブFC(サウジアラビア)、フーラッド・コウゼスタンFC(イラン)、アルドゥハイル(カタール)、アルファイサリFC(サウジアラビア)が突破。2位枠でアルライヤンSC(カタール)、シャバブ・アルアハリ・ドバイ(UAE)、FCナサフ(ウズベキスタン)がノックアウトステージへ駒を進めました。
ラウンド16から準決勝までのノックアウトステージは、東地区の8月開催に対して、西地区では来年2月3-10日に行われます。決勝はホーム・アンド・アウェイ方式で来年2月19日(西地区)、26日(東地区)の予定です。
監督・選手コメント
リカルド・ロドリゲス 監督(浦和レッズ)
この試合で一番重要なことは勝利することで、次のステージに進むためにゴールを取ることが大事な状況でした。もっとゴールを決めるチャンスはありましたが、いいゴールもたくさん生まれたので非常に良かったと思います。前回の試合も攻撃で良い形はありましたし、ポストに当たるシーンがあるなど、チャンスはつくれていました。しっかり決めることができたかどうか、決定力が唯一の違いだったと思います。短い期間でのタフな大会ですが、良い雰囲気の中でしっかりと戦えていると思います。
MF 小泉佳穂選手(浦和レッズ)
個人的には大邸戦よりも自由に、いろいろな場所でボールを触る機会が多く、自分自身のリズムもつくりやすい中で、いかにゴールに絡むかというところが課題でした。そこにこだわってプレーした結果、ゴールとアシストという形が生まれて、良かったと思います。非常にタフな環境と日程の中、チーム全員の力が必要になる大会です。大邱戦から入れ替えたメンバーで勝てたこと、個人としてもゴールを決められたことは、チーム力の底上げになると思います。
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