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川崎が望みをつなぐドロー、浦和がアウェイ勝利で2位浮上 ~AFCチャンピオンズリーグ2019~
2019年05月08日
AFCチャンピオンズリーグ2019(ACL)グループステージ第5節が5月7日(火)に行われ、グループH3位の川崎フロンターレはホームで上海上港(中国)と2-2で引き分け、グループGの浦和レッズはアウェイでブリーラム・ユナイテッド(タイ)に2-1で勝利して2位に浮上。どちらも最終節に16強入りの望みをつなぎました。
川崎、フッキに2失点で追いつかれる
勝点1差で追う中国リーグ王者の上海上港に対して負ければ敗退が決まる一戦で、川崎はミスが響いて勝点を取りこぼす形になりました。
川崎はMF中村憲剛選手やMF家長昭博選手、DF奈良竜樹選手らを負傷で欠く中、立ち上がりから積極的に攻めの姿勢を出します。
しかし前半7分、川崎はCKから上海にボールを奪われると、パスを受けた元ブラジルFWフッキ選手がカウンターで攻撃。追いかける川崎DFを振り切り、ペナルティエリアでGKを冷静にかわして先制しました。
川崎は6分後に反撃。FWレアンドロ・ダミアン選手がMF齋藤学選手との連係でリターンパスを受けると、右足を振り抜いて同点にしました。
その後もダミアン選手やMF守田英正選手が相手ゴールに迫る場面も作りますが、中盤でパスを相手に奪われるミスが目立ち、30分には相手にカットされたところからウズベキスタン代表MFオディル・アフメドフ選手にミドルシュートを打たれてしまいます。
後半、守備に人数をかける上海に対して、DF馬渡和彰選手やMF大島僚太選手、齋藤選手らがミドルレンジから相手ゴールを脅かし、MF長谷川竜也選手が相手DFの合間を縫ってペナルティエリアに攻め込む場面を作ります。
66分には、CKの流れから守田選手が上げたクロスにDF谷口彰悟選手が頭で合わせて、川崎が2-1のリードを奪いました。
しかしその5分後、上海は中盤でのパスカットから左サイドへ展開し、オスカル選手の左クロスにフッキ選手がファーサイドに飛び込んで頭で合わせ、再び同点にしました。
川崎は直後にMF脇坂泰斗選手、MF鈴木雄斗選手、MF山村和也選手を投入。85分には左サイドで山村選手、DF登里享平選手とつないで、ゴール前でFW小林悠選手がシュートを放ちましたが枠を捕えることはできません。3点目を奪えないまま、ドローで終了。
この結果、上海を勝点1差で追う川崎は、5月21日(火)の最終節にアウェイでシドニーFC(オーストラリア)に勝ち、かつ、上海が蔚山現代(韓国)とホームで引き分け以下であれば、川崎の2位での16強入りとなります。しかし、引き分けの場合は、上海が敗れて勝点で並んでも、直接対決で2勝した上海が上回り、川崎が敗退となります。
谷口選手は「厳しい状況だが、わずかでも可能性は残っている。勝つことに集中してやりたい」と話しました。
なお、首位の蔚山はシドニーを1-0で下して勝点を11とし、1位での16強進出を決め、勝点3のシドニーの敗退が決まりました。
浦和、武藤選手が決勝ゴール
2位に入れば自力突破の可能性が見えてくる浦和は、前半手にした2-1のリードを最後まで集中して守り切りました。
3日(金)のJリーグ磐田戦から先発の変更はDF岩波拓也選手の起用のみ。アウェイの暑さの中でタイリーグ王者に挑んだ浦和は、開始3分にMFエヴェルトン選手の縦パスを受けたFW興梠慎三選手が右足を振り抜いて先制します。
負けると敗退が決まるブリーラムは、16分に相手ボールを奪って攻め上がったFWペドロ・ジュニオール選手が同点ゴールを決めます。
しかし、浦和はその10分後に再びリードを奪います。興梠選手のクロスをMFエヴェルトン選手が相手と競り合い、こぼれ球にMF武藤雄樹選手が反応しゴールネットを揺らしました。武藤選手はこれが今季初得点です。
浦和はその後も相手の背後を突く動きを見せるなど攻撃の姿勢を崩さず、守備でも相手に再び得点を許さずに最後まで1点リードを維持し、貴重な勝点3を手にしました。
この日、北京国安(中国)が全北現代モータース(韓国)にホームで0-1で敗れたため、得失点差で北京を上回る浦和が2位に浮上。次節21日(火)にホームでの北京戦に勝てば、無条件で16強進出が決定します。
全北は勝点を12として1位突破を決め、勝点3のブリーラムは敗退が決まりました。
なお、西地区では6日(月)にグループCの試合が行われ、MF中島翔哉選手のアルドゥハイル(カタール)がアウェイでエステグラル(イラン)と1-1でドロー。勝点を8とし、直接対決の結果で3位のエステグラルを上回るため、アルドゥハイルの2位通過が決定しました。中島選手はフル出場しています。
一方、累積警告による出場停止のために出場できなかったDF塩谷司選手の所属するアルアイン(UAE)も、アウェイでアルヒラル(サウジアラビア)と対戦し、0-2で敗れました。アルアインは2分け3敗で敗退が決定。アルヒラルは勝点12で、1位突破が決まりました。
5月8日(水)にはサンフレッチェ広島がホームで広州恒大(中国)と、鹿島アントラーズがアウェイでジョホール・ダルル・タクジム(マレーシア)と16強進出をかけて対戦します。
監督・選手コメント
鬼木達 監督(川崎フロンターレ)
ホームでサポーターにあれだけ熱い声援を受けた中、勝てずに申し訳ないですし、すごく残念です。先制されても慌てずに逆転したので、勝ち切らなければいけなかった。2失点とも警戒していた形で、自分たちがしっかりと力を付けていくしかありません。前半からピンチの場面は自分たちのパスミスが多く、ACLは1本のミスから失点します。パスミスも問題ですが、その後のケアを詰めていかなければいけません。すごく難しい状況ですが、残されているのは勝つことだけです。諦めずに勝点3を目指したい。うまいだけでなく、タフさや強さをもう一度確認して、体も心も成長させて、最後の試合に臨みたいと思います。
DF 谷口彰悟 選手(川崎フロンターレ)
2失点目のクロスの入り方など、このレベルになると質が高いと感じました。得点はうまく決めることができましたが、勝ちにつなげられずに悔しいです。
MF 守田英正 選手(川崎フロンターレ)
ACLで勝てないと日本でチャンピオンを獲っても意味がないと思っています。それだけのプライドを持って戦って、結果がついてこなかったのはすごく残念です。得点してからの守備とボールの失い方がすごく悪くて、自分たちの失点で苦しくしてしまいました。
FW 小林悠 選手(川崎フロンターレ)
3点目を獲らなくてはいけなかった。失点は相手の能力もあって、スピードの違いを感じた試合でした。逆転したまでは良かったですが、すぐ失点したのは良くなかった。もう少しゲーム運びのところでチームとして成長しないといけないと思います。
ヴィトール・ペレイラ 監督(上海上港)
リーグ戦から中2日の連戦でアウェイに来て、強敵相手に自分たちの特長と規律を出し、インテンシティの高い良い試合をしました。川崎は速さも技術もある選手が多く、支配するのは難しいと分かっていたので、コンパクトに保ってスペースを消し、川崎の攻守の切り替えを狙っていました。どこが抜けるか分からないグループなので、この勝点1は大きいです。
大会期間:
プレーオフ:2019年2月5日(火)~19日(火)
グループステージ:2019年3月4日(月)~5月22日(水)
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