アジア最強クラブを決めるAFCチャンピオンズリーグ（ACL）2015は3月4日、グループステージ第2節2日目の試合が開催され、浦和レッズがオーストラリアAリーグ王者のブリスベン・ロアーに0-1で落とし、鹿島アントラーズが韓国でFCソウルに0-1で敗れ、ともに2連敗を喫しました。

浦和は先週末のFUJI XEROX SUPER CUPから先発メンバーを替え、ズラタン選手、興梠慎三選手の2トップ、右MFに加賀健一選手、左MFに宇賀神友弥選手を置く布陣で臨みましたが、試合開始早々に失点し、1点を追う展開になってしまいます。

パスをつないで攻撃を組み立てるブリスベンは、MFトーマス・ブロイヒ選手が中盤でボールを持つと、攻め上がって浦和選手をかわし、右サイドに顔を出したFWブランドン・ボレロ選手へパスを出します。ボレロ選手は切り込んで右足を振り貫き、浦和のゴールネットを揺らし、幸先の良いスタートを切りました。

浦和はサイドから崩そうと試みますが、ブリスベンは両センターバックがズラタン選手をマーク。彼ら2人とオーストラリア代表で守備的MFのマット・マッカイ選手を中心に守備を固め、浦和の攻撃を抑えます。一方でパスカットからカウンターを仕掛けようと狙うブリスベンに、浦和は前半途中から加賀選手とDF森脇良太選手のポジションを入れ替えて対抗します。

1点ビハインドで前半を折り返すと、浦和は後半開始から加賀に代えてMF梅崎司選手、ズラタン選手に代えてFW石原直樹選手を投入して、布陣を通常の1トップに変えると動きが良くなり、相手ゴールに迫る場面が増えます。48分には今季初出場で初先発の興梠がMF柏木陽介選手からパスを受けてシュートを打ちますが、相手に阻まれます。

しかし、良い流れも長くは続きませんでした。51分、DF那須大亮選手のパス出しをインターセプトしたFWアンドリヤ・カルジェロヴィッチ選手が攻め上がってGKと1対1になります。これをファウルで止めた那須が一発退場になりました。

浦和はMF阿部勇樹選手を最終ラインに下げて4-4-1に布陣を修正して対応しますが、流れは変わり、ブリスベンにカウンター狙われる場面を作られます。80分にはFWエンリケ選手に攻め込まれ、GK西川周作選手が左足でシュートを止めてゴールを守りました。

それでも浦和は86分に梅崎選手が、89分には後半途中交代出場のFW李忠成選手が興梠選手のクロスに頭で合わせますが、最後まで相手ゴールネットを揺らすことはできませんでした。

Gグループもう一つの試合では北京国安（中国）が水原三星（韓国）を1-0で退けました。この結果、2連勝で勝点を6とした北京がグループ首位。勝点3の水原とブリスベンが続き、浦和は勝点0で最下位です。

一方、韓国のソウルに乗り込んだ鹿島は、前節の試合から先発メンバーを一人替えて、センターバックに韓国代表DFファン・ソッコ選手を起用。序盤から積極的に攻めて、山本修斗選手、柴崎岳選手が相手ゴールを脅かし、14分には遠藤康選手のシュートがポストを叩きます。35分には、左CKから遠藤選手が再びゴールを狙いますが、シュートはバーの上に流れます。後半にもMFカイオ選手が中盤からのスルーパスを受けて狙いましたが、枠を捉えることができません。

試合が動いたのは66分でした。相手FKをクリアした鹿島DFのボールをペナルティボックス内で拾ったキム・ジンキュ選手に、右サイドから決められました。

鹿島は終了間際、柴崎選手のクロスにダイレクトで合わせたカイオ選手がシュート。これは相手GKに止められ、リバウンドを捉えたカイオ選手が再びゴール正面で右足を振り貫きましたが、シュートはクロスバーの上へ流れました。

Hグループは2節を終え、この日、アウェイでウェスタン・シドニー・ワンダラーズ（オーストラリア）を3-2で下して2連勝の広州恒大（中国）が首位。ウェスタン・シドニー、FCソウルが勝点3で続き、2連敗の鹿島は最下位です。

次回のグループステージ第3節は3月17－18日に行われます。

監督・選手コメント

ミハイロ・ペトロヴィッチ 監督（浦和レッズ）
負けてはいけない試合でした。最初のミスで失点して相手にリードされる展開になってしまい、その後、失点のショックなのか、我々はプレーが不安定になって試合が進みました。後半立ち上がりから良い流れで決定機も作っていたのですが、一人退場になったのが痛かったです。選手たちは最後まで良く戦ってくれて、チャンスもあったのですが、今日に限って決めきれませんでした。選手たちの努力が報われなかったのは残念でなりません。私自身が試合開始（の布陣）でミスをして、後半はいつものやり方に戻しました。相手を分析して、勝つつもりでベストを尽くそうとしたのですが。2連敗でグループステージ突破のチャンスは少なくなりましたが、突破のために全力を傾けます。

MF   阿部勇樹 選手（浦和レッズ）
勝たなくてはいけない試合だったので、結果は残念です。良いところもありましたが、結果で示せず、悔しいです。開始早々に失点してやりにくくなりました。チャンスがあった中で最後の精度が足りなかったり、こちらの攻撃に相手は守備の入り方が徹底していました。グループステージ残り4試合にすべて勝つしかないので、全力を尽くして頑張りたいです。自分たちのサッカーを出せていないわけではないと思いますが、結果につながっていないので、まずは1勝することです。これまでやってきたことを見失わずに、やっていきたいと思います。

FW   興梠慎三 選手（浦和レッズ）
必ずチャンスが来ると思ってプレーしていましたが、自分が決定機に決めていればと思います。そこで決めきれなかったところで、自分自身のコンディションがまだなのかなと思いました。これで苦しい戦いになりましたが、まだ終わっていません。

フランシスカス・タイセン 監督（ブリスベン・ロアー）
ハードな日程を考えて楽な試合展開を望んでいたのですが、実際にはとてもタフな試合になりました。先制した後も双方に得点機はありました。特に退場者が出た後で、試合を終わらせることができる機会もあったと思いますが、浦和には素早い動きをする選手や技術的に優れた選手がいて、とても良い戦いをして、接戦になりました。最後まで気が抜けませんでしたが、早々に先制した1点を守り切って勝つことができました。選手たちの頑張りを誇りに思いますし、この勝利は我々が残りのシーズンを戦う上で自信になります。

AFCチャンピオンズリーグ2015

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