アカデミー福島男子 ジュニアユースの日常生活について ~JFAアカデミー福島男子 スタッフ通信Vol.12
2019年03月22日
JFAアカデミーでは「常にどんな時でも(日本でも海外でも)ポジティブな態度で何事にも臨み、自信に満ち溢れた立ち居振る舞いのできる人間の育成」というフィロソフィーを掲げ、真のエリートを目指して日々活動しています。
JFAアカデミースタッフ通信では選手たちの日常の様子や、日々の活動を詳しくお伝えしています。今回JFAアカデミー福島のレポートを担当するのは芝脩希総務です。
JFAアカデミー福島で、中学生の選手たちのサポートを担当している芝です。今回は、JFAアカデミー福島男子のジュニアユース(中学生)の日常について紹介します。
中学生の選手たちの活動の場は、主に「ピッチ」、「学校」、「寮」この3つです。フィロソフィーにもある「常にどんな時でも~」の通り、ピッチ以外の場面においても、選手たちはアカデミー生であることが求められています。「ピッチ」での活動は過去にもカテゴリーごとに記事が掲載されているので、今回はピッチ以外の部分である「学校」と「寮生活」を中心にお話ししたいと思います。
JFAアカデミー福島では、ロジング(完全寄宿制)形式を採用しているため、選手たちは6年間、寮生活を送ることになります。同じ中学生といっても、中学1年生は親元を離れることによって、掃除や洗濯など身の回りのことを全て自分でしなければならなくなり、中学2、3年生は自分のすべきことに加えて、後輩のサポートをしていかなければなりません。
また、生まれも育ちも異なる者同士の共同生活となるため、自分のルールブックが通用するとは限りません。お互いの自由を承認するために、自分が一歩退かなければならない局面も必ずでてきます。そういったことを学びながら選手たちは日々、寮生活を送っています。
次に平日のスケジュールについても触れておきます。表1を見てわかる通り、中学生は非常にタイトなスケジュールのなかで生活しています。表には記載していないですが、学習時間には、自学自習の他に「公文式」や「英会話」、「学習サポート」などのJFAプログラムを実施しています。
中学生 平日スケジュール(表1)
6:00 | 6:10 | 6:25 | 7:10 | 7:45 | 15:30 | 16:00 |
---|---|---|---|---|---|---|
起床 | 5S活動 | 朝食 | 登校 | 学校 | 下校 | トレーニング |
18:10 | 18:15 | 18:45 | 19:50 | 20:50 | 22:00 | 22:30 |
帰寮 | 入浴 | 夕食 | 学習 | 自由時間 | 週番活動 | 消灯 |
こういったタイトなスケジュールをこなすことによって、選手は時間を管理する力、事前に行動を計画する力、次の行動に向けて準備する力などを身につけていきます。なかには時間にルーズになる選手もいますが、そういった時には周りの選手が注意やサポートをするといった行動も、学年が上がるにつれて徐々に見られるようになっていきます。
中学生は地元の公立中学校である御殿場市立富士岡中学校に通っています。中学校では、クラス委員長や富陽祭(体育祭・文化祭)の実行委員などを任される選手も多く、様々な場面において、リーダーシップを発揮しています。ただし、自分たちの得意なことだけではなく、まずは中学生の本分である学習にきちんと取り組まなければなりません。選手によっては消灯時間を延長して学習に取り組む選手もいますが、まだまだ取り組む姿勢が甘い選手も見られます。
中学校において、サッカーが上手いことは何も意味をなしません。授業をしっかりと受けること、与えられた役割をきちんと果たすことの方が中学生として重要です。サッカーが上手くても、義務を果たせない選手はエリートとは呼べないのです。
JFAアカデミー福島では、スタッフが選手の学習成績を把握するため、図2のような個票を作成しています。これを用いて、考査後に個人面談を実施するなど、選手の成績向上に向けて働きかけるようにしています。
中学校での生活は、スタッフの目から離れることで、選手の「素」が出る場面となります。アカデミー生活を送っていると、どうしても関わる人が限定されがちなので、「素」の状態で様々な人たちと関わることのできる中学校での生活は、選手たちにとって社会性を身に着ける良い機会となっています。
JFAアカデミー福島では、フィロソフィーのもと選手育成をおこなっていますが、中学生の選手たちは必ずしも時々で正しい行動が取れるわけではありません。むしろ普通の中学生と同じで多くの失敗を犯してしまいます。彼らはまだまだ完成したエリートではないのです。
しかしながら選手たちは、「いつの日かそうなる、ならなければならない」という思いを持ちながら、日々アカデミー生活を送っています。