青森山田が前半の大量得点で横浜FCを退け、3度目のEAST王者に! 高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2021第12節
2021年12月13日
高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2021 EASTの未消化試合が12月12日(日)に各地で開催され、熱戦が展開されました。これらの試合をもって、今季のリーグ戦は閉幕となります。
横浜FCユース 0-4(前半0-4、後半0-0) 青森山田高校
12日の横浜FC・LEOCトレーニングセンターでは、横浜FCユース(神奈川)と首位を走る青森山田高校(青森)が対戦しました。青森山田は勝てば優勝が決まるという状況です。これに対して横浜FCは「優勝も降格もない状況」(重田征紀監督)ではあったものの、やはり「これが最後の試合なので」(重田監督)と気合は十分。試合前から青森山田に負けじとベンチの選手を含めて声を出し合い、勝利を狙います。
しかし、「最初の立ち上がり、(青森山田が)圧力を掛けてくるのは分かっていたけれど、その上をいかれた」(重田監督)という展開となります。青森山田は3分には早くも先制点。MF松木玖生選手(#10)がクロスボールを競ったこぼれ球を、MF藤森颯太選手(#11)が左足シュートで突き刺し、早くもゴールネットを揺らします。
続く22分にもFKのこぼれ球から追加点を奪うと、36分にはMF宇野禅斗選手(#6)のインターセプトを起点としたショートカウンターからFW渡邊星来選手(#17)が決めて、3-0。さらに前半終了間際の44分には、こぼれ球を松木選手が泥臭く押し込んで4-0とリードを広げます。「セカンドボールへの対応に差があった」と横浜FCのDF増田健昇選手(#3)が肩を落としたように、ゴール前の要所でセカンドボールを制した青森山田が大差のリードを得て折り返します。
後半、「このままでは終われないので、1点でも返していこう」(MF山崎太新選手/#10)と話し合った横浜FCイレブンも奮起して反撃を見せますが、青森山田はゴール前の勝負所で隙をつくりません。DF三輪椋平選手(#4)が「清水エスパルスユースに負けたあとで、監督から『負けるからに原因がある。それを突き詰めよう』という話をされて、ルーズになっていた部分を確認できた」と語った成果をしっかりと見せ付け、横浜FCの反撃を完封。4-0の快勝で、高円宮杯プレミアリーグEAST優勝を決めました。
黒田剛監督は「人間的なパワーのある選手たちが揃っていたし、正木昌宣コーチを始めとしたスタッフもそれに負けないくらいの情熱を持って指導に当たってくれて、一つの方向にまとまることができた」と選手とスタッフを称えました。負傷者が続出するなど難しい時期もありましたが、代わりに出場した選手たちも徐々に自信をつけて開花。「かえってチーム力が増した部分もある。最後は成長率でどこにも負けなかった」と指揮官が語るとおりに総合力で上回り、3度目の戴冠となりました。
重田征紀 監督(横浜FCユース)
青森山田さんは本当に素晴らしいチームで、優勝に相応しい力を持っていたと思います。昨年のプレミアリーグは関東に限定された中での開催だったので今年初めてリーグ戦で青森山田さんとも対戦できましたが、あらためて選手たちは技術・戦術だけじゃない、それを凌駕してくるものがあると感じられたと思いますし、その経験を成長につなげていきたいと思います。
DF #3 増田健昇 選手(横浜FCユース)
後半はビルドアップ含めてうまくいった部分もありますが、前半はなかなか思い通りのサッカーができませんでした。昨年は優勝できましたが、今年はそのとき不参加だった青森山田や清水エスパルスと対戦してみて、そのレベルに及んでいなかったと感じています。今日の試合でもっと球際の強さやスピード感への対応などを突き詰めないといけないと思わされました。
黒田剛 監督(青森山田高校)
清水エスパルスユースさんとの差が詰まる中で、3連勝しなければいけないという状況でその全てがアウェイ戦という難しい状況でした。コンディションづくりも難しい中で選手たちは本当に奮闘してくれて、チーム一体となって戦ってくれたと思います。この厳しいリーグでの優勝は価値がありますし、あらためてこの選手たちは素晴らしいなと思わされました。
MF #14 小野暉 選手(青森山田高校)
左サイドバックという慣れないポジションですし、(負傷離脱している)二人と同じプレーはできないので、自分のプレーを出そうと思ってやってきました。サイドバックのプレーも、徐々に分かってきたと思います。自分たちのチームは不満を溜め込むのではなくて言い合うことができるし、チームを良くしていこうという気持ちをみんなが持っているのが強みだと思います。
EAST
清水エスパルスユース 1-1(前半0-0、後半1-1) 流通経済大学付属柏高校
浦和レッドダイヤモンズユース 2-0(前半0-0、後半2-0) 市立船橋高校
FC東京U-18 2-0(前半2-0、後半0-0) 大宮アルディージャU18
逆転優勝のために勝利が必要な清水エスパルスユース(静岡)は66分にMF金子星太選手(#7)のゴールで先制するも、71分に流通経済大学付属柏高校(千葉)に追い付かれ、引き分けで最終戦を終えました。来季のプリンスリーグ降格が決まっている浦和レッドダイヤモンズユース(埼玉)は市立船橋高校(千葉)と対戦。浦和は57分にFW伊澤壮平選手(#9)、78分にMF堀内陽太選手(#16)のゴールが生まれ、最終戦を白星で飾りました。FC東京U-18(東京)は8分のFW野澤零温選手(#18)の先制ゴールで主導権を握ると、大宮アルディージャU18(埼玉)の攻撃をシュート4本に抑え、2-0で勝利しました。
WEST
ジュビロ磐田U-18 2-1(前半1-1、後半1-0) 大津高校
京都サンガF.C. U-18 2-5(前半0-2、後半2-3) ガンバ大阪ユース
ヴィッセル神戸U-18 2-0(前半0-0、後半2-0) 東福岡高校
セレッソ大阪U-18 2-2(前半0-1、後半2-1) サガン鳥栖U-18
ジュビロ磐田U-18(静岡)は大津高校(熊本)をホームに迎えての一戦。1-1で迎えた後半開始直後に、FW後藤啓介選手(#23)のスルーパスに抜け出したFW西村日陽選手(#10)が右足で決勝ゴールを決め、磐田が今季5勝目を挙げました。京都サンガF.C. U-18(京都)と対戦したガンバ大阪ユース(大阪)は攻撃陣が躍動しました。2点リードで迎えた後半は、京都に得点を許すものの、FW坂本一彩選手(#11)の2得点などで突き放し、5-2で勝点3をつかみました。ヴィッセル神戸U-18(兵庫)と東福岡高校(福岡)は互いにスコアレスで試合を折り返しますが、後半にDF寺阪尚悟選手(#19)とFW生駒泰輝選手(#13)のゴールで神戸が勝利しました。セレッソ大阪U-18(大阪)とサガン鳥栖U-18(鳥栖)の対戦では、アウェイの鳥栖が先行するも、C大阪は87分にMF伊藤翼選手(#13)のゴールで追いつき、勝点1を分け合いました。
大会期間:2021年4月3日(土)~2021年12月12日(日)