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市立船橋が柏に逆転勝利してプレミア残留を決める 高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2021第18節

2021年12月06日

市立船橋が柏に逆転勝利してプレミア残留を決める 高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2021第18節

高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2021EASTの第18節が12月5日(日)に各地で一斉開催され、熱戦が展開されました。

ピックアップマッチ

市立船橋高校 3-2(前半0-2、後半3-0) 柏レイソルU-18

船橋市法典公園(グラスポ)球技場では市立船橋高校(千葉)と柏レイソルU-18(千葉)という千葉県勢の対戦が行われました。暫定9位の市立船橋高校にとっては、リーグ残留のために絶対に負けられない一戦となります。

本来は全体の最終戦に当たる第18節ですが、コロナ禍の影響による未消化試合があるため、これが最終戦となるチームもあれば、まだ試合を行うチームもある状況でしたが、柏にとっては「これが僕らの最終戦」(酒井直樹監督)という状況です。高校年代だけでなく、小学生や中学生の時代から柏のユニフォームを着てプレーしている選手も多いチームです。このため、チームの優勝や残留の懸かる状況ではありませんが、DF大和優規選手(#3)が「6年間や9年間レイソルでプレーしてきた選手がいるので、特別な思いを持って臨んでいた」と語ったように、序盤から気持ちのこもったプレーが見られる好内容となりました。

一方、負けられない状況だった市立船橋も気迫十分で試合に臨みましたが、序盤はその気持ちが空回りするシーンも目立ってしまいます。開始6分に中央をパス交換から破られて、MF山本桜大選手(#18)にテクニカルなシュートを決められると、18分にもMF大嶋優斗選手(#24)にこぼれ球を押し込まれて連続失点。勝利の欲しい試合でしたが、市立船橋にとって「流れも悪ければ、失点の仕方も悪い」(波多秀吾監督)最悪の立ち上がりとなってしまいました。

ただ、波多監督が「本当にたくましくなってくれた。選手たちの成長を感じた」のがここからの逆襲でした。2点を奪った柏の勢いが落ちると、前半の半ばから試合内容を巻き返していきます。ロングボールも効果的に使いながら柏を押し込む時間帯もつくり、ゴールこそ奪えなかったものの、決定的なシーンもつくり出します。

ハーフタイムに波多監督の「プレッシングも効いているし、別に悪くない。相手は裏を嫌がっているから、そこを徹底的に使おう」という指示を受けた市立船橋イレブンはさらに攻勢を強めていきます。49分にセットプレーのこぼれ球からMF郡司璃来選手(#30)を蹴り込んで1点差に迫ると、そこからシンプルに縦へ、ゴールへと迫るプレーを連続。62分に裏へと抜け出した郡司選手がGKとの1対1から、冷静にシュートを流し込んで同点に追い付くと、72分にはまたも郡司選手。飛び出してきたGKの上を抜く鮮やかなループシュートを決めてハットトリックを達成しました。

「点を取れないせいで勝てないことが多くて、個人的にもずっと悔しかった。今日は決めてやると思っていたし、ハーフタイムにも『後ろが守ってくれれば、絶対決めるから』と伝えていた」(郡司選手)

その後は柏も猛烈な反撃を展開しますが、市立船橋も全員が一丸となってゴールを死守。3-2で逃げ切り、貴重な白星を獲得。残留を争っていた浦和レッドダイヤモンズユース(埼玉)が敗れたため、プレミアリーグ残留を決めました。波多監督は「這い上がる力があるところを選手たちが見せてくれた。本当に最後、追い詰められたときの強さというのを出して、感動的な試合を見せてもらいました」と、難しい状況で力を発揮した選手たちを称えました。

敗れた酒井監督は「修正できなかった自分の責任です」とした上で、「プロに上がる選手もいるし、そうでない選手もここから目指してくれると思う。もっとやらないといけないと教えてもらったゲームでもあるし、今後のサッカー人生でこういう経験を生かしていってほしい」と総括しました。

監督・選手コメント

波多秀吾 監督(市立船橋高校)
育成のためのリーグですが、だから別に(下部リーグに)落ちてもいいなどという気持ちで戦っているはずもありません。いろいろなプレッシャーを感じながらやってきましたし、選手たちも苦しかったと思いますが、今日は本当に成長した姿を見せてくれたと思いますし、市立船橋らしい戦いを見せられたと思っています。

MF #30 郡司璃来 選手(市立船橋高校)
1点目は浮いたボールだったので、とにかく枠に入れようということを意識して蹴りました。2点目はGKとの距離がなくて選択肢も少なくなったので、コースを狙いました。3点目はGKの位置も見えていたので狙いどおりです。こんなにうれしかったことも、あれほど皆に喜んでもらえたことも初めての経験でした。

酒井直樹 監督(柏レイソルU-18)
1失点したあとに動揺している様子は感じていましたが、そこをコントロールできなかったところは自分の責任です。後半相手が縦に速く攻めてくるところも予想していましたし、セットプレーの対策もしていたのですが、隙がありました。負けを受け入れた上で、この経験を生かさないといけないと思っています。

DF #3 大和優槻 選手(柏レイソルU-18)
立ち上がりはうまくいっていたのですが、途中からラインも下がってしまい、セカンドボールを拾う部分などに課題が出てしまいました。ユースの3年間、けがもあって上手くいかない時期のほうが長かったですが、本当にいろいろな方に支えてもらいました。酒井監督をはじめ、みんなに感謝の気持ちしかありません。

その他の試合結果

大宮アルディージャU18 2-1(前半0-0、後半2-1) 浦和レッドダイヤモンズユース
流通経済大学付属柏高校 2-0(前半1-0、後半1-0) 横浜F・マリノスユース
FC東京U-18 0-2(前半0-2、後半0-0) 青森山田高校
清水エスパルスユース 3-1(前半1-1、後半2-0) 横浜FCユース

大宮アルディージャU18(埼玉)と浦和レッドダイヤモンズユース(埼玉)によるさいたまダービーは、1-1で迎えた87分にDF小澤晴樹選手(#15)がゴールを決め、大宮が勝利しました。この結果、浦和のプリンスリーグ降格が決まりました。流通経済大学付属柏高校(千葉)と横浜F・マリノスユース(神奈川)の一戦は、前後半に1点ずつを挙げた流経大柏が白星を掴みました。首位の青森山田高校(青森)はFC東京U-18(東京)と対戦。前半に挙げたFW渡邊星来選手(#17)とMF藤森颯太選手(#11)のゴールが物を言い、首位をキープしています。2位の清水エスパルスユース(静岡)は横浜FCユース(神奈川)をホームに迎えての一戦。15分に横浜FCに先制を許すものの、34分にMF山田理矩選手(#18)のゴールで追いつくと、後半に2点を重ね、逆転で勝点3を手にしました。

大会期間:2021年4月3日(土)~2021年12月12日(日)

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