メディカル関係者向け情報
FIFA Medical Committeeからの情報 [ メディカル関係者向け情報 ]
2009年10月17-18日チューリッヒで全世界サッカースポーツ医学会議が開催され日本からは田嶋幸三専務理事と福林徹スポーツ医学委員長、および青木治人FIFA医学委員が参加しました。FIFA Medical Committeeからは以下の4項目work shopを中心として世界が直面している医事の現場での重要性が話し合われました。
- Pre-Competition Medical Assessment (試合前のメディカルチェック)
- 外傷予防としての「FIFA 11+」ウォームアップトレーニングの有用性
- アンチ・ドーピング教育の重要性とドーピングコントロールの現状
- サッカー現場での救急処置
- ① Regular pre-competition medical assessment (PCMA)
- ② Implementation of "The 11+-a complete warm-up programme to prevent injuries"
- ③ Adequate nutrition and hydration
- ④ Advice on supplement use
- ⑤ Follow high medical ethics in prescription practice
- ⑥ Rid football of doping
- ⑦ Ensure correct age of players
- ⑧ Fair play on the pitch
1.Pre-Competition Medical Assessment(PCMA)について
PCMA はサッカー選手の健康を守り、突然死等を防ぐためにきわめて重要です。特に詳細な問診、心電図、心エコー検査は重要であり、サッカー選手の死亡を撲滅する努力が必要です。
2.外傷予防としての「FIFA 11+」トレーニングの実施
「FIFA 11+」は「FIFA 11」の旧来のトレーニングをより効果的、より現場に導入しやすい方法で開発された新しいトレーニング法です。本法はサッカー選手のcore strength, jump, balance能力を総合的に高め、ACL損傷や肉離れなどの外傷を予防するように開発されたウォームアップトレーニングであり、特にジュニア期の選手や女子選手に有用です。ピッチで特に道具を必要とせずに出来るトレーニングなので、全世界で実施されることが望まれます。
3.アンチ・ドーピング教育
世界ではまだ一部選手が競技力向上目的でドラッグを使用している例が散見されます。FIFAはWADA(国際アンチ・ドーピング機構)と協力し、今後とも選手のドーピングを撲滅するために全力を挙げていきます。またプロ選手のみでなくジュニアカテゴリーの選手が、近年消炎鎮痛剤をはじめとする各種薬剤を多用する例が増えてきており憂慮しております。
4.現場での救急処置
ピッチ状での救急処置を想定し帯同ドクター、トレーナーは常に準備しておく必要があります。特に救命救急のポイントとなるAEDをはじめとする救命セットの常備と、正しい使用法がポイントとなります。
FIFAはこれまでFIFA医療評価研究センター(F-Marc)から各種のサッカー医学の本を出しているので参考にしてください。
- Football Medicine Manual (2nd Edition) 2009
- Football for Health : 15 years of F-Marc research and Education (1994-2009)
- Fight against Doping in Football
- Nutrition for Football : A practical guide to eating and drinking for health and Performance
- Health and Fitness for the Female Football Player