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ずっとEnjoy♫ みんなPlay! だれでもJoin♪ 子どもの成長に合わせた指導で サッカー好きを育む(JFAnews2017年5月情報号より転載)
2017年05月31日
日本サッカー協会機関誌『JFAnews』では、「JFAグラスルーツ推進・賛同パートナー」の活動紹介を行なっています。その第9回目として2017年5月情報号(No.397)に「引退なし(ずっとEonjoy♫)」「補欠ゼロ(みんなPlay!)」「障がい者サッカー(だれでもJoin♪)」賛同パートナーであるNPO港北フットボールクラブ(神奈川県横浜市)の活動を紹介しました。
■JFAnews2017年5月情報号(No.397)より転載 ■情報提供:サカイク、鈴木智之
横浜市を拠点に活動する港北フットボールクラブは小学生、中学生、社会人を対象としたサッカークラブで、小学生年代では 「補欠ゼロ」を実践している。
クラブの創設は1988年。現在、クラブの代表を務める永井洋一氏が、前身となるスクールで指導を開始したことが始まりだった。永井代表は、かつて日産自動車サッカー部(現横浜F・マリノス)の育成組織で監督も務めた経験を持つ。その彼が街のクラブで指導を始めたのにはきっかけがある。日産のサッカー部のトップチームは日本サッカーリーグ(JSL)に所属する人気チーム。育成組織にも運動能力の高い選手が集まり、簡単に試合で勝てる実力を備えていた。「勝てる指導者として充実感もあったが、あるときに『自分が指導者じゃなくても勝てる』と思った」というのが街クラブに移った理由だった。
「私が考える良い指導者は、子どもたちの能力を伸ばすことのできる人」と永井代表は言う。
港北フットボールクラブでは小学校3年生までは練習試合だけで、公式戦に出場することはない。その理由は、1~2年生の公式戦は10分ハーフで行われることが多く、試合経験を積める子どもが限られてしまうことに加え、足の速い選手や体格の良い選手がいるかどうかで勝負が決まりがち。「指導者の勝負に対する欲が出て運動能力の高い子だけを出場させては、育成の本質から外れてしまう」と永井代表は語る。
能力にかかわらず全選手を出場させるが、永井代表は「勝ち負けはどうでもいいとは言わない」と自らの指導方針を語る。「勝利を目指して全力を尽くすのがスポーツ」と選手たちを鼓舞するも、勝利することは簡単ではない。そこで「だからどんなときでも得点を狙い、失点を阻む姿勢を評価する。勝つことが難しいときは負けないように頑張ることも大事。努力の目安はいろいろな部分にあるので自分のできることを全力でやることが大事」と永井代表は子どもたちに伝えている。
サッカーが盛んな神奈川県とあって、近隣には強豪クラブがひしめいている。少年サッカーの競技志向が高まる昨今、港北フットボールクラブには「強豪クラブのセレクションから漏れた子どもやそこに入れない子どもが集まってくる」と永井代表は言う。しかし、段階を踏んだ指導で子どもたちは徐々に力をつけ、「4年生のときは歯が立たなかった強豪クラブに、6年生の頃には良い勝負ができるようになる」(永井代表)。
30年あまり少年少女の育成に関わってきた永井代表は「サッカーを続けていても、プロになれるのはほんの一握りで、スポーツに関わって食べていくことすら難しいのが現実。そう考えると、子どもたちが中学、高校、大学、社会に出てもサッカーを続けて、シニアでもプレーをする。結婚して子どもができたら、子どもにもサッカーをさせる。将来は良い観戦者、良い日本サッカーのサポーターになって、サッカーを支える人になってほしい。その第一歩であるジュニア年代を、僕ら育成の指導者は受け持っている」と願いを込めて言う。
一人でも多くのサッカー好きを育てる―。子ども一人一人の成長と向き合いながら歩みを進める港北フットボールクラブは、これからもサッカーファミリーの裾野を広げていく。
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