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ずっとEnjoy♫ みんなPlay! だれでもJoin♪ 障がいがあっても サッカーを続けて楽しめる環境を(JFAnews2017年2月情報号より転載)
2017年02月28日
日本サッカー協会機関誌『JFAnews』では、「JFAグラスルーツ推進・賛同パートナー」の活動紹介を行なっています。その第6回目として2017年2月情報号(No.394)に「引退なし(ずっとEonjoy♫)」「補欠ゼロ(みんなPlay!)」「障がい者サッカー(だれでもJoin♪)」賛同パートナーであるシーガルサッカークラブ(北海道札幌市)の活動を紹介しました。
■JFAnews2017年2月情報号(No.394)より転載 ■情報提供:サカイク、原山裕平
シーガルサッカークラブは、北海道札幌市で活動するサッカークラブ。U-12、U-15、レディースチームのほかに、「F.I.Dドリーム」という名称のチームが存在する。F.I.DとはFor people with intellectual disabilitiesの略で、「知的障がい者のための」という意味。中学生以上の知的障がい者がこのチームで活動している。
全カテゴリーのチームを率いる智田季之監督は、大学の先輩から国体チームのスタッフに誘われたことをきっかけに指導者の道に足を踏み入れ、20代後半から約5年間、国体チームの指導に携わってきた。同じ時期に長男がサッカーを始めたが、小学生高学年の時、在籍したチームで問題が発生し、長男を含む5、6年生全員が退団。その子どもたちの保護者から彼らを指導してほしいと求められ、チームを立ち上げることを決断した。しかし、同じ地域に二つのチームが存在することに難色を示すサッカー関係者もいたことから、立ち上げ当初は「大きな苦労もあった」と智田監督は言う。それでも周囲の協力を得ながら、その苦 難を乗り越えていった。
1997年4月にJFAにチーム登録をすると、翌年にはジュニアユース部門を設立。さらに2000年には知的障がい者のための部門を立ち上げることとなった。その背景に、智田監督の次男の存在がある。次男には知的障がいがある。サッカーを始めた当初は、他の子どもたちに交じってプレーをしていたが、見守る智田監督の心の中には違和感が生じていた。「他の子どもたちは気を遣ってパスを出してくれる。でも彼らも内心では、勝ちたいという気持ちがあったはず。チームのためにも別の場所でやらせたほうがいいのではないかと考えるようになった」と、当時の揺れ動く心情を吐露した。
智田監督はまず、1年ほど道内で活動する障がい者を対象としたサッカースクールにボランティアとして参加し、「これなら自分でもできる」と手応えを得てF.I.Dドリームを立ち上げた。
現在では立ち上げ当初から所属する選手を含め、9人が在籍し、週1回のペースで活動をしている。当時、子どもだった選手たちも、すでに20代、30代になった。自由にサッカーができる時間が限られている上、人数が少ないことから「試合ができないことでストレスを溜めていないか」が目下の悩みだという。
問題の解決のため、障がい者施設を回ってクラブの周知に努めている。地道な仕事も苦にはならない。全ては選手たちのためだ。「高等養護学校には、どこにもサッカー部があり、そこまではプレーできる環境がある。問題は学校を卒業したあと。うまい選手だけを集めてプレーさせるチームはあるが、そうでない選手をどうカバーしていけるか。われわれのようなクラブチームがそれぞれの地域にあるのが理想だけど、現実はそうではないし、続けたくてもできない選手はたくさんいると思う」(智田監督)。
障がいのある選手を取り巻く環境はまだまだ発展途上だが、自身もサッカーを心から楽しんできた智田監督は、サッカーの力を信じてまっすぐに歩み続ける。
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