ワールドカップの余韻が残る中、フットサル人口が急激に増えているという。そんな中、昨年に続いて開催された滋賀県のスペシャルステージは県内から15、岐阜から2、兵庫から1の18チームが参加、巨大ドームの中で午前中はリーグ戦、午後からはキリンフットサル教室、ミニゲーム、抽選会など多彩な趣向を楽しんだ。

ファミリー賞・フットサル賞

スペシャルステージらしく、今回は4家族が日曜日に集まり、フットサルを専門に楽しんでいるという〝フットサル大好き〟ファミリーグループが、大津から3チームに分かれてやってきた。その内の「チームかずなっくす」がファミリー賞。「マロンちゃん」がフットサル賞に輝いた。「チームかずなっくす」は田中秀和さん（35）千佳さん（32）勇歩さん（11）和奈さん（9）秀汰君（5）の5人家族に、いとこの滋賀寬嗣さん（32）の6人チーム。千佳さんは「始めたのは3年前、県内で年4回開かれるファミリー大会には全部参加している。フットサルは楽しい。子供との絆が深まるのがなによりだが〝チームメート〟になれるのが楽しい。それに、どこかに遊びに行くと言うことを考えなくてもいい」と笑った。和奈さんも「フットサルは楽しい。これからもずっとやりたい」と紅潮した顔で話してくれた。秀汰君は今年デビューだ。

一方「マロンちゃん」は村野一政さん（35）貴子さん（31）一巴さん（11）雅粋君（8）に、はじめたばかりの蓮偉君（4）の5人家族が中心のチーム。そこに不破亨さん（32）平井直樹さん（24）が加わった。一政さんは、「女の子が多いので、遊びもまじえて、日曜日、小学校のグラウンドに集まり、4時間ぐらい練習している。フットサル大好き家族の集団です」と、汗びっしょりになりながらも心地よさそうに話してくれた。一巴さんは「試合は楽しいけど、練習は嫌い」と女の子らしい感想だった。

フットサル賞

ステージを盛り上げてくれた「貴生川タウラス」にフェスティバル賞が贈られた。貴生川サッカースポーツ少年団に所属する子供たち約50人全員とその家族が6チームに分かれて参加した中の1チーム。子供たちは週3回、貴生川小学校で練習している。38年の歴史を持つサッカークラブだが、「年4回のフットサルのファミリー大会にも積極的に参加している。W杯で子供たちも興味を持っている。子供と一緒にやれるこんな機会はいいですね」と薮下剛さん（38）。今回は奥さんの初代さん（38）と祐馬君（9）あかりさん（7）の家族で参加。そこに倉田伊人さん（43）豊寿君（10）愛里紗さん（7）家族が加わり、クラブの森田匠君（11）希君（8）兄弟、奥村たき江さん（54）でチームを組んだ。1年生の時から始めたというあかりさんと2年目という祐馬君は共に「楽しい。面白い」と、目を輝かせていた。

キリンフットサル教室

元フットサル日本代表でスペシャルインストラクターの相根澄（さがねきよし）さん（36）による「キリンフットサル教室」が行われ、小学生約80人が参加した。相根さんは「試合で一番うれしいことは点をとること。シュートがいかに、いい状況で打てるかということが大事」と、ドリブルしながらディフェンスをかわしてシュートをする練習から開始。最初は思い通りに挑んだ子供たち。その後ボールをまたぐようにしてディフェンスをかわす「シザーズフェイント」やアウトサイドボールを動かした方向にいく相手を抜き去る「エラシコ」といわれる高度なフェイントにも挑戦。「メッシやロナウドがボールをどこにおいているか思い出してください」と、先ごろのW杯でのシーンなどにも触れながら相根さんはアドバイス。また足の甲、ヒールを使ったシュートも練習した。「シザーズもエラシコもまあまあできた」と南郷里FVファミリーの平居紫音君（11）。日ごろの練習の成果に得意げだった。

キリンビール（株）京滋支店長 渡邉 宗欧さん
ワールドカップでの日本代表の活躍で、大変盛り上がっている中で開催された今回の「JFAファミリーフットサルフェスティバル」ですが〝皆さんが元気いっぱい最後までボールを追う姿を拝見してフットサルの楽しみを教えてもらった〟という実感を強くしました。当大会をご支援できたことは大変有意義な事と感じています。この中から日本代表が出てくれればうれしい限りです。キリンビールは78年から30年以上にわたり、サッカー日本代表を応援してきました。今後も日本代表チームの強化とサッカー文化の創造に貢献できますよう応援をさせて頂く所存です。また滋賀県には「キリンビール滋賀工場」があり、3月にリニューアルオープンしました。今まで以上に環境にやさしい工場に生まれ変わり、滋賀の自然の恵みに感謝し数多くの種類のビール、発泡酒、ノンアルコール・ビールテイスト飲料を製造しています。工場見学やさまざまなイベントも実施していますので、ぜひ多くの方々に来て頂きたいと思っています。これからもみなさまといっしょに滋賀の元気と笑顔を応援していきたいと思います。

滋賀県サッカー協会 フットサル委員長 山本 昭治さん
南アフリカW杯の感動がまだ覚めやらぬ中、昨年に続き滋賀県の長浜ドームでスペシャルステージが開催されることとなり大変喜んでいます。子供から大人まで年齢を問わず楽しめ、家族の絆を深め、フットサル、サッカーに興味をもってもらえる絶好の機会と考えています。協会ではフットサル、サッカーのさらなる普及、人材育成を目的に、さまざな趣向を盛り込んで、今後も支援を続けていきたいと考えていますので、奮って参加をお願いいたします。

文・写真提供：日刊スポーツ

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