9月30日(木)、指導者を対象としたリフレッシュ研修会をオンラインで開催しました。
フィジカルフィットネスプロジェクトメンバーでU-24日本代表フィジカルコーチを務めた松本良一氏、矢野由治氏を講師に迎え、「U-24日本代表のコンディショニング」というテーマで講義を行いました。先日の東京オリンピックで4位となったU-24日本代表チームのコンディショニングについて、他のベスト4をはじめとしたチームと比較したデータ等が共有されました。
今回の研修会には、指導者総勢400名以上が参加しました。受講者は講義を通じて、オリンピック日本代表チームが実践したオリンピック期間中のコンディショニング方法などを学びました。
フィジカルフィットネスプロジェクトでは、現場の指導で求められるテーマについて、今後も定期的にリフレッシュ研修会を実施する予定です。

講師コメント

松本良一 U-24日本代表フィジカルコーチ／フィジカルフィットネスプロジェクトメンバー
この度はウェブ開催にも関わらず多くの皆様にご参加いただき誠にありがとうございました。
講習の最初に、東京2020オリンピック競技大会までに参加した大会での選手・スタッフ構成について紹介させていただきました。その後は東京オリンピック開催までの準備期間に行ったこと、本大会へ入ってからのスケジューリング、測定内容、データ等を紹介させていただきました。時折、専門用語の多さに受講者の皆様に伝わりにくかった部分もありましたが、たくさんの質問をいただき、受講いただいた皆様の熱意を感じることができました。今後はこの講習会で伝えたことが皆様の指導のお役に立てばと思います。

受講者コメント

坂本孝太さん
今回、日本を感動に包んだオリンピックでのサッカー日本代表の実際の現場で感じた内容を聞くことができ、とても自分のプラスになりました。コロナだけでなく様々な要因がある中でベストコンディションに持っていくための工夫や施策、方法を学んだことは、自分の指導現場にも必ず役に立つものだと確信しました。
選手だけに目が行きがちですが、代表チームのスタッフも合わせて全員で勝ち進んでいくこと、また選手をベストコンディションに持っていくことが重要であり、その意義を理解することがスタッフには必要不可欠であると再認識させていただきました。日本のトップで活躍されていらっしゃる御二方の話は何よりも説得性があり、自分自身の指導現場でも活かせるような内容だったため、とても良い研修会でした。

中西朋子さん
東京オリンピックでは、個々の選手が置かれている状況に応じて対応を変えたということ、その準備が綿密であったことが印象に残っています。個人として、チームとして、選手がベストパフォーマンスを発揮できるように、個人の状況を客観的数値で把握したり、選手がどう感じているかの主観での部分も大切にしたりなど、丁寧なサポートが裏にあったからこそ、選手が集中して力を発揮することができたのだと思います。テレビなどで試合を見るだけではわからない、チーム作りや意識作りなどを聞いて大変興味が持てる内容でした。また、ブラジルとの比較など、体力の差について元々の素地が異なることも考えられるなど、比較してみるとおもしろい切り口もありました。強みをどう生かし、弱みをどう改善していくか、育成年代から全体を通して考えていく必要があると感じました。また、女子代表ではどういった特徴があるのかも知りたいです。

鳥浜栄一さん
日本代表の試合を多く観てきましたが、今までは試合の結果のみで一喜一憂する事が多かったと思います。しかし今回の講習を受講して、選手やチームを長期間、全力でサポートしている「スタッフの努力、支え」があっての結果である事を痛切に感じました。特に選手のコンディションの維持については、試合毎に最大限のパフォーマンスを発揮できる準備や回復プログラムがあり、連続した試合にも耐えうる選手別に設定されたその内容は綿密で、食事、睡眠、リカバリー、水分量、尿比重などが細かく分析されている事に驚きました。今回の講習を受けて感じるのは、これからは試合の結果のみではなく、陰で支える多くのサポートスタッフの努力や思いも感じながら観戦しようということです。また自チームでも、食事や試合前後の過ごし方などを参考にしていこうと思います。今回は、新たな分野での学習ができました。引き続き学びを続けようと思います。