フィジカル測定結果
JFAエリートプログラム女子U-14トレーニングキャンプにおけるフィジカル測定とトレーニング報告(2023)
2023年3月26日(日)から29日(水)の4日間、千葉県の高円宮記念JFA夢フィールドでエリートプログラム活動の集大成となるトレーニングキャンプを実施し、全国からU-14年代の女子選手22名が参加しました。このキャンプ期間中に実施されたトレーニングの冒頭にフィジカルフィットネスのプログラムを取り入れ、2日目の午前にフィジカルテスト(40m走、アローヘッドアジリティテスト、立ち幅跳び、立ち5段跳びの4種目)を行いました。育成年代は発達の個人差があることから、評価が難しいところですが、過去のU-13の年代のデータと合わせてご参照ください。
AFC U20アジアカップウズベキスタン2023におけるGPSデータ(2023)
JFAフィジカルフィットネスプロジェクトでは、アンダーカテゴリー日本代表活動中のトレーニングと試合時における運動強度のモニタリングを行っています。
今回は、AFC U20アジアカップウズベキスタン2023(3.1-3.18)でのGPSデータを紹介します。
U-20日本代表は同大会においてグループリーグを3戦3勝で突破し、FIFA U-20ワールドカップ出場権をかけた準々決勝でも勝利しました。迎えた準決勝では、延長戦でも決着がつかずPK戦で惜敗を喫し、優勝を逃して帰国となりました。
グループリーグ初戦の中国戦では前半早々にオウンゴールで失点した後、後半の終盤に同点に追いつくまで、DFライン5人とMF4人でブロック組む相手をなかなか崩すことができませんでした。スペースがない中で逆転したものの、全体的な走行距離や25km/h以上のスプリント数は低い値となりました。
2戦目のキルギス戦では、前線からプレスを仕掛けてくる相手に対して攻め込むことができずボールを保持する時間帯が続きました。後半に入り、少ないスペースを突きながらインテンシティを高めることにより得点機会が生まれて3-0で勝つことができました。
3戦目のサウジアラビア戦はオープンな戦いとなり、お互いにカウンターを仕掛ける場面が多く、全体的な走行距離や20km/h以上のハイインテンシティの割合も高いものとなって、試合も2-1で勝利することができ、グループリーグを1位で突破することになりました。
準々決勝のヨルダン戦では、前半は攻勢を強めましたがなかなかゴールを奪えず、後半さらにギアをあげ前線からのハイプレスで得点をあげると追加点も奪い、特に後半は前半を上回る運動量で勝利してFIFA U-20ワールドカップ出場を決めました。
準決勝のイラク戦では、常にリードされる苦しい展開となりました。延長戦に入った後も終了間際に追いつき、PK戦で負けましたが、粘り強く戦えることを証明しました。
3週間にわたる大会期間で、決勝進出はならなかったものの最後まであきらめない姿勢を貫き通し、フィジカルフィットネスだけでなくメンタル的にも成長がみられた大会だったと思います。
AFC U20アジアカップウズベキスタン2023予選におけるGPSデータ(2022)
JFAフィジカルフィットネスプロジェクトでは、アンダーカテゴリー日本代表活動中のトレーニングと試合時における運動強度のモニタリング行っています。
今回は、AFC U20アジアカップウズベキスタン2023予選でのU-19日本代表のGPSデータを紹介します。今大会は、日本のポゼッション率が圧倒的に高かったことと、対戦相手のシステムが5バックだったり、DFラインが低くかったりとほとんどスペースがなかったこともあり、試合を通じて守備で走らされることは少なかったのですが、一方で、攻撃においてもスペースがあまりなく、なかなか仕掛けることができませんでした。その結果、全体的な走行距離は少ない印象を受けました。
勝負がかかる試合では、相手の戦術的な意図によって、カウンターを受けてしまう状況となることもありますが、結果的に4戦すべてに勝利し、無失点で追われたことは非常によかったです。
SBSカップ国際ユースサッカーにおけるGPSデータ(2022)
JFAフィジカルフィットネスプロジェクトでは、アンダーカテゴリー日本代表のトレーニングと試合時における運動強度のモニタリングを行っています。今回は、U-18日本代表が出場した2022 SBSカップ国際ユースサッカーでのGPSデータを紹介します。
今大会は40分ハーフで行われ、U-18日本代表は1勝2分(2PK負け)で3位という結果でした。ここで紹介するデータは、チーム全体の平均値となっています。(途中交代した選手は、代わりに入った選手のデータを用いて、80分としています。)
前後半合わせた総移動距離(Total)を見てみると、第1戦のU-18ウルグアイ代表戦では9797.7m、第2戦の静岡ユース戦では9580.8m、第3戦のU-18ウズベキスタン戦では10038.6mでした。1分あたりの総移動距離はそれぞれ112.6m、111.4m、118.1mでした。
また、高強度ランニングと考えられる時速14km以上での移動距離は、それぞれ2107.7m、2092.8m、2358.9mでした。総移動距離に対する時速14km以上での移動距離の割合は、それぞれ22.4%、22.0%、24.6%でした。時速24km以上のスプリント回数の平均はそれぞれ6.3回、6.4回、10.0回となっています。
大会の日程上、1戦目と2戦目は連日で行われ、3戦目は中1日空けて行われました。2日目(2戦目)の静岡ユース戦の移動距離が、ウルグアイ戦と比較して少し低い値となっているのは、連戦の影響もあるかもしれません。その一方で、U-18ウズベキスタン代表戦では3試合目に関わらず、移動距離が最も多く、総移動距離に対する時速14km以上での移動距離の割合も高くなっています。勝利することが優勝への絶対条件だったこともありますが、中1日のリカバリーではあえてボールを使わず、有酸素でのランニングも実施しないことを選択し、休養に努めました。
JFAストライカーキャンプにおけるフィジカル測定とトレーニング報告(2022)
7月1日(金)~3日(日)、静岡・時之栖で今期初となるストライカーキャンプを実施し、全国からU-14年代の選手16名が参加しました。このキャンプの初日に、フィジカルフィットネスのプログラムを取りいれ、フィジカルテストを行いました。
フィジカルテストは、10メートル走、クランク、立ち幅跳び(両・右・左)、垂直飛び(両・右・左)の4種目を行ないました。体組成項目(身長、体重、BMI値)とあわせて、測定結果を掲載していますので、参考にしてください。
2021年度各カテゴリーの日本代表チームのフィジカル測定結果
スプリントはランニングスピード、ジャンプ種目(立幅跳び・カウンタームーブメントジャンプ)は瞬発的な筋パワー発揮、方向転換走は、スピードを伴いながら方向転換する能力を評価しています。結果の平均値だけ見ると、スプリント、ジャンプ系種目ともにU15世代とU16世代で差が出ています。身体的な成長度合いももちろん関係しているものと思われますが、このようなフィジカルテストのデータから、年齢が上がるにつれて、選手に要求されるフィットネスレベルも高くなることが分かります。
フィジカル測定種目及び測定方法
フィジカル測定の種目はスプリント(10m、20m、30m走タイム)、立ち幅跳び(両脚および片脚の水平距離)、5m×3方向変換走(5m×1往復半走タイム)、カウンタームーブメントジャンプ(CMJ:両脚および片脚による垂直跳びの高さ)の4種目です。
①スプリント
光電管を用いて10m・20m・30mそれぞれの地点でのタイム計測、スタートは片手を地面につけての3点スタートで行います。
②立ち幅跳び
メジャーを用いて。両脚踏切両脚着地および片脚踏切両脚着地で行います。
③5m×3方向変換走
タブレットで撮影した映像を用いて、スタートはスプリントと同様に片手を地面につけての3点スタートで行います。
④カウンタームーブメントジャンプ(CMJ)
タブレットで撮影した映像を用いて、両脚踏切両脚着地および片脚踏切片脚着地で行います。