ニュース
【ホットピ!~HotTopic~】指導を学ぶことが純粋に面白い~近賀ゆかりさん(Aジェネラルライセンス取得) インタビュー
2026年01月15日

現役選手のときに指導者ライセンスを取得した近賀ゆかりさん。2025年にAジェネラルライセンスを取得されるなど、指導者として学び続けられています。指導者ライセンスを取得された理由や指導への思いについて聞きました。
※このインタビューは2025年12月1日に実施しました。
最初に指導を学んだときから「面白い」と感じていた
――最初に指導者ライセンスを取得されたのはいつですか。
近賀 Cライセンスは日テレ・ベレーザ(現、日テレ・東京ヴェルディベレーザ)にいたときなので、取得したのはだいぶ前です。でもリフレッシュ研修会などを受けられず、実は1度失効してしまって。年を重ねてやはり必要だと思ってCライセンスを取り直し、3~4年前にBライセンスを取得して2024年にAジェネラルに申し込みました。
――現役選手のときに取得されたのですね。指導者ライセンスをまた取得しようと思われたきっかけは?
近賀 セカンドキャリアを考えたときに必要だと考えたからです。私は幸せなことに選手生活を長く続けてきましたが、その中で次のステップも同時に考えなければいけないと思っていました。女子サッカーに長く携わり、日本サッカーの良さはすごく感じていて、それはサッカーのスタイルももちろんですが、日本らしいプレーで世界に勝っていくところに面白さを感じていたんですね。サッカーの勉強をしたいという思いと、次のステップとして指導者は面白そうだと興味を持ち、クラブにも相談して講習会を受講してきました。
2024-25シーズンをもって惜しまれながらも現役引退。
「選手としての多くの経験を指導にも生かせていけたら」と近賀さんは話す
――以前から講習会で学ぶ中で「指導者は面白い」と感じられていたと。
近賀 感じていました。今回のAジェネラルでさらにそれを感じました。
――どういった部分ですか。
近賀 Bライセンスはどちらかというと個人戦術が主だったのですが、Aジェネラルはチーム戦術やマネジメントなど全体像が見える内容で、監督として学ぶ要素が多かったんです。参加者もいろいろな方がいて、サッカーの考え方や選手に落とし込む技術なども皆さんそれぞれ。いろいろな指導者から学ぶことができ、あらためて指導者ライセンスって大事だなと思いました。
「選手時代も戦術やプレーについてチームメートとたくさん話し合ってきたけど、選手と指導者は全く別物」
と近賀さん。だからこそ指導者として学ぶ必要があるという
講習会で得られた人とのつながりと多くの学び、そして広がった視野
――現在の講習会はチューター(講師)と参加者(受講者)として対話しながら学びや気づきを得ることを大切にしています。講習会の変化はいかがでしたか。
近賀 例えば指導実践では、自分の指導に対してチューターから意見をもらうだけではなく、他の参加者からも意見やアイデアをもらうことができます。逆に私も気づいたことを伝え、そこからディスカッションが始まることもあります。人の指導を見ることは勉強になりますし、自分にはない発想を得られて楽しかったですね。
あと昨年は関西コースに参加したのですが、けがをして後期だけ受けられず、今年は四国コースの後期だけ参加しました。ある意味、参加者とチューターの方との出会いも2倍になり、刺激も多かったです。
――ということは前・中期を一緒に受けてきた参加者の中に飛び込みまれたと。
近賀 そうなんです。最初はすごく不安でした(苦笑)。講習会は同じ時間を過ごす中で関係性もできていきますから。昨年も女性は私一人、今年も少なかったのですが、皆さんとても優しく、温かく迎え入れてくださいました。
――指導者の皆さんとの出会いも、特別なものですね。
近賀 本当に。それこそ昨年けがをして後期に参加できなくなったとき、一緒に参加していた皆さんからメッセージをいただいて一体感を感じました。今年はいきなり私がポンっと入ったにもかかわらず、日に日に皆さんと和んでいくというか、とても良い環境の中で学ばせてもらいました。
――Aジェネラルライセンスの講習会で印象的なカリキュラムはありましたか。
近賀 リトリートをテーマにした指導実践は面白かったですね。そこまで個人の色が出るテーマではないと思っていたのですが、攻撃の選手だった人、守備の選手だった人で考え方も変わりますし、昨年の関西コースはGKだった方が多くてフィールドプレーヤーとは異なる視点を持っていました。人によって守備の構築が異なるので、そこも面白かったですね。
――クラブワーク(実地研修)では、実際にクラブなどで指導している様子をチューターが見てアドバイスします。
近賀 自分としてもトレーニングを終えて、もっとこう伝えれば良かった、こうしたら良かったという課題がある中で気づいた点やアイデアをもらえると、自分一人では気づけなかった部分から指導を深めることができます。見られている緊張感もありますが、指導の幅をより広げてもらうことができる場だと思います。
指導実践の様子。
同じテーマでも指導者によってアプローチの方法が全く違うため、多くの気づきと学びを得ることができた
声掛け一つでプレーが変わる指導の面白さ、現役中のライセンス取得も大きな価値
――2025年8月にJFAのロールモデルコーチに就任され、9月からU-16日本女子代表の指導にも加わりました。代表選手の指導に携わっていかがですか。
近賀 実際にプレーを見ると技術の高さはもちろん、戦うマインドも強いと感じました。若い選手たちは気持ちの部分が見えにくいと言われもしますが全くそんなことはなく、それぞれ強い気持ちを持ってプレーしているんだなと。あとは吸収力の高さですね。4日間の活動でしたが、同じ練習でも1日目と最終日では質が変わるというか、本当に毎日の積み重ねと意識一つでぐんぐん伸びていきます。
――スポンジのように吸収するといいますが、まさに間近で見られたと。
近賀 それこそ選手は指導者の声掛け一つで変わっていきます。そういう意味でも指導の面白さを実感しましたし、重要な役目を担っているのだと再認識しました。
――選手として指導を学ぶことはどう思われますか。
近賀 私は、現役のうちに指導者ライセンスを取る方がいいと思っています。逆にどうして取らないんだろうって思うほどです。スケジュールの問題などもあって現役中に受講する難しさもあるのですが、ぜひ若いうちから学んでもらいたいですね。
――選手としてのプレーにも生きてきますか。
近賀 もちろんです。指導者養成講習会で学ぶことで、選手とは異なる目線と角度、広い視野でサッカーが見えるようになります。監督やチームメートとの会話の中でも気づくことが増えますから、プレーの幅も、サッカー選手としての幅も広がり、よりサッカーが面白くなるんじゃないかなって思います。
サンフレッチェ広島レジーナアンバサダー、WEリーグ特任理事、そしてJFAロールモデルコーチ
として活躍の場を広げる近賀さん。サッカーの魅力を伝え続けていく
――近賀さんはどのような指導者になっていきたいですか。
近賀 私はどちらかというと技術を教えられる自信はないので、その選手の特長をつかみながら、選手の良さがチームのプラスになるように導ける指導者になりたいと思っています。選手たちのマイナスの面よりもプラスで勝負していく、というイメージです。
例えば、自分が選手だったとき、監督は本当に勝負にこだわっているなと思えば、選手もより勝負にこだわるようになりますし、うまさやゲームの内容にこだわる監督だったらやはり選手もそちらを向くようになります。何が良い悪いではなく、チームのリーダーとして、監督はとても大事な存在。「じゃあ自分の指導者としての色は?」と考えると、選手の良さを引き出してチームの勝利につなげられる指導者かなと。勝利にはこだわっていきたいですね。
――指導者としてのビジョンをお聞かせください。
近賀 私は、なでしこジャパン(日本女子代表)は世界のトップに行く、世界一を目標にするというよりも、そこにいられる存在だと思っています。ですから私自身もそこを見据えて指導者としてレベルアップしていきたい。海外では、女性の指導者が男子チームで指導する光景もありますが、男女関係なくどんなカテゴリーでも指導できる指導者を私も目指していきたいと思っているところです。
なでしこジャパンとして2011年FIFA女子ワールドカップ初優勝を経験。
「当時のメンバーはみんな、道は違ってもそれぞれに女子サッカーを盛り上げたいと思って活動している」と近賀さん
ホットピ!~HotTopic~
「ホットピ!~HotTopic~」とは:
その時その時の旬な情報をお届け。JFA.jpがお届けする厳選コンテンツ。
関連情報
関連ニュース
最新ニュース
-
JFA
2026/01/15
『ツネログ』#17 発行! マキナリー浩子 長野県サッカー協会会長を”マンマーク”
-
選手育成
2026/01/15
2025ナショナルトレセン女子U-14後期(1/22~25)メンバー
-
指導者
2026/01/15
【ホットピ!~HotTopic~】指導を学ぶことが純粋に面白い~近賀ゆかりさん(Aジェネラルライセンス取得) インタビュー
-
日本代表
2026/01/14
フットサル日本女子代表 須賀雄大監督が退任
-
選手育成
2026/01/14
2025年度の短期留学第3弾 アヤックス(オランダ)へ4選手が短期留学 「育成年代応援プロジェクト JFA アディダス DREAM ROAD」


