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女子の指導者や選手に向けたフットサルワークショップを初開催
2019年08月06日
7月29日(月)、東京都で女子の指導者や選手に向けたフットサルワークショップを開催しました。2017年から始まったフットサルワークショップは、フットサルの普及・発展のため、フットサルの楽しさや特徴を理解した指導の基本の理解者を増やすことを目的とし、毎年9地域で行っているものです。3年目となる今年1回目は初の試みとして、女子の指導者や選手に向けたコースを開催。平日の朝からの開始となりましたが、大学生から社会人まで17人が参加しました。前半は小西鉄平JFAフットサルテクニカルダイレクターからフットサルの競技特性、ゾーンの理解やポジションの役割などについて映像を交えた講義があり、昼休憩を挟んで後半は日本女子代表の木暮賢一郎監督による実技を行いました。サッカーやフットサルの競技経験の有無やレベルは様々でしたが、参加者はボールを扱うだけではなく頭を使ったいくつかのトレーニングやゲーム形式でのプレーを体験しました。終了後も受講者同士が活発なコミュニケーションを取っている様子を伺うことができました。
インストラクターコメント
小西鉄平 JFAフットサルテクニカルダイレクター
今回のワークショップはその中でも「女子の指導者や選手」を対象に初めて実施し、約20人の参加者にフットサルの基本的な考え方やそれをどうやってトレーニングするのかといった部分を共有しました。
前半の講義では、フットサルのゲームを構成している要素やフットサルの特徴などをスライドと映像を用いてみなさんと共有していきました。みなさんからのフィードバックを見させていただくと、フットサルはスペースが小さく、相手との距離も近いことから素早い判断が必要なスポーツであることは理解していたが、指導者としては、その早い判断がどのような認知から行われているのか?また判断して決断したとの実行する技術の質について、どの段階に選手は難しさ、やり易さを感じているのか?を観察し、見抜いて実際にコーチングしていくことに重要性を感じていただいたようです。
また、「ゴールを奪う」という目的のために、どのようなプレーをしていくことが重要なのか?またどのようなプレーをチームとして行うのか?といった部分を実際の試合データを参考にしながら共有していきました。フットサルのゴールは8割以上が相手コート10mより敵陣から生まれていること、また得点が生まれるプレー種類はカウンターアタック、システムを用いたアタック、そしてセットプレーによるアタックがほとんどです。その割合はチームのやり方や対戦相手との力関係によって多少のズレがあることを理解し、その上でどのようなトレーニングが必要なのかを考え、システムアタックであってもカウンター攻撃であっても、セットプレーでもあっても数的有利な状況を作ったり、気づいたりすることがとても重要です。実技ではフットサル日本女子代表監督の木暮監督が攻撃における「数的有利・不利の状況を素早く認知し、活用する」ことをテーマにした実技を行いました。木暮監督のトレーニングでは「認知すること」をメインのテーマに数的有利、不利の状況を見抜くこと、意図的に作り出すことをウォーミングアップから最後のゲームまで一貫してトレーニングしていきました。最初のうちはボールを複数使用して、一つは手で、もう一つは足で扱うなどの特殊なルール設定に戸惑っていましたが、木暮監督からの「どの場面でボールを手で拾ったら、チャンスになるか?」といった問いかけにより、参加者の皆さんも徐々に適切なプレーができてくるようになっていました。
ゲーム形式のトレーニングではコート上に縦25mほどのラインを引き、人の横断はそのラインは禁止といったルールで行いました。それの狙いはアップから継続して「数的有利の状況を的確に見抜くことや、その状況を意図的に作り出す」ことでした。選手たちのフィードバックによると、ゲーム形式で楽しくトレーニングしながら、フットサルに必要な認知力が向上していくのがわかる
とても有効なトレーニングであったということでした。
参加者の皆さんがとても楽しそうにトレーニングしている姿を見て、こちらも楽しかったですし、またこのような機会を設けて、みなさんと一緒にフットサルを楽しみたいなと心から思いました。
引き続きこのような機会を設けたいと考えておりますので、フットサルに興味を持っていただけると有難いです。フットサルにも指導者ライセンスがC級からA級までありますので、このワークショップに参加された方が少しでもフットサルに興味を継続的に持ち、ライセンス講習会にも足を運んでくれるよう願っております。どうもありがとうございました。またお会いしましょう。
受講者コメント
島田楓美子 さん
練習がうまく回っていない時に、ルールを追加したり、ルールを減らしてみたり、ルールを変更したりして、練習をオーガナイズしていたのが印象的でした。頭を使う練習だったので、指導をする立場の方はもっと理解をしなくてはならず、すごいと思いました。最後のゲームもただのゲームじゃなくて、とても頭を使いましたが、その分とても楽しかったです。初めて本格的にフットサルをやりましたが、また是非やってみたいなと思いました。参加してみて本当に良かったです。
高橋満香 さん
座学では、フットサルの特徴を捉えてから、指導場面ではどういったことに着目していけばいいか理解でき、局面やゾーン、レーンの考え方により、オープンスキルのスポーツとして課題解決をスムーズに考えられるようになりました。実技では、頭を使うことと数的有利ということをテーマに、フットサルというスポーツの特徴を体感することができました。女子向けのコースとしては初めてとのことでしたが、スポーツを敬遠しがちな女性にとってはサッカーよりもフットサルの方が気軽にプレーできそうだと今回の講習会を通して感じることができました。
城倉有希 さん
講義で見ること決断することなどの内容がとても良かったです。指導するときにそのことを意識するだけで選手にも伝わりやすいなと感じました。現在、現役のフットサル選手としてプレーしていますが、悪かったプレーがあったとき何が悪かったのか今回の講義でやったことを意識しながらプレーしようと思いました。とても楽しかったです。また、フットサルの講習会があれば積極的に参加したいです。
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