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[復興支援活動]手倉森 浩 復興支援特任コーチ 活動レポート(4月)

2015年05月14日

[復興支援活動]手倉森 浩 復興支援特任コーチ 活動レポート(4月)

4月15日に宮城県仙台市を訪れました。仙台市は復興しているように思われている方も多いかもしれませんが、市街地から仙台港方面へ車で20~30分も走ったところは未だ仮設住宅暮らしが続いています。

試合会場に使用されていた若林区の海浜公園は、津波の被害で閉鎖されています。同じく若林区のニッペリアグラウンド、同区の隣の宮城野区の扇町四丁目公園は仮設住宅が建ったために試合ができない状態。公式戦などの会場確保が難しく、仙台七夕の時期に開催されていた七夕カップも、震災後は時期をずらし、他の地区での開催を余儀なくされました。

若林区で試合会場として使われているのは古城小学校と沖野小学校の2校のグラウンドで、いずれも少年用のピッチが1面取れるほどの広さです。七郷小学校は照明つきのグラウンドで広かったのですが、津波の被害を受けた学校の子どもたちが編入し、グラウンドには仮設校舎が建てられました。この4月からようやく蒲町小学校が開校。グラウンドに建てられていた仮設校舎の解体撤去作業も始まり、9月か10月にはグラウンドが使えるようになります。

この日、夕方6時半から名取市下増田小学校体育館で行われた閖上スポーツ少年団の練習を視察しました。OBも含めて参加者は20人。5人一組のチームに分かれてパス&コントロールから1+2対2のポゼッションを1時間、指導しました。子どもたちは積極的にプレーしてくれました。

翌16日は亘理町荒浜ジュニオールの練習へ。現在、亘理運動場は芝の養生期で使用できないため、荒浜小学校で行われたのですが、グラウンドは翌日の交通安全指導で使用できず、練習は体育館で行われました。子どもたちは1~6年生まで23人。パス&コントロールは、右右・左左・右左・左右など制約付きで、ポゼッションの4対1も遠い方の足でコントロールするなど条件を付けて行いました。最後は低学年、高学年に分かれゲームを行ったのですが、子どもたちは果敢にトライしていました。

菊地彰宏監督によると、荒浜地区には「鳥の海温泉」があって、震災前は温泉客のほか、大学生の合宿などで賑わっていたそうです。震災後、宿泊はできなくなりましたが、最近になって日帰り入浴が再開され、6店舗が入った「にぎわい回廊」の商店街もオープン。地産市場や船釣り、潮干狩り、いちご狩りなどが楽しめるようになったそうで、徐々に復興してきているとのことでした。防潮堤工事も終わり、現在は、道路整備など区画整備中で、これから嵩上げ工事も始まるようです。菊池監督も、「一日も早く、「鳥の海陸上競技場」や宿泊施設が復旧し、震災前の賑わいが戻ってきてほしい」と話していました。

18日には、若林区のSK-SCスポーツ少年団の練習に伺いました。同少年団は1年~6年生まで約60人が在籍。カテゴリー毎に指導者がいて、充実した育成・強化がなされています。グラウンドは狭いのですが、工夫してトレーニングをしていました。この日、私は6年生のゲームに交じって楽しく汗を流しました。宮城秀夫代表から蒲町小学校へ少年ゴールを設置してほしいと依頼がありましたが、これから学校や練習場などが整備されてくると、ゴールの要望も多くなると思います。できる限り対応できればと考えています。

冒頭にも記しましたが、津波被害で閉鎖された海浜公園の代替えのグラウンドも復旧の目処がたっていないそうです。また、蒲町小学校、七郷小学校周辺は宅地造成が進んでおり、現在、七郷小学校は1000人、蒲町小学校は現在600人の在校生がいますが、いずれも1000人を超すのではと言われています。宮城代表は、「サッカーに限らず、他競技団体も子どもが増えたとしても練習環境がなく、子どもたちが可哀想。9月か10月には蒲町小学校のグラウンドも使えるようになり、貴重な練習場所にはなりますが、大会が開催できる運動施設が少なく、復旧を心から望んでいます」と話していました。

19日には仙南地区リーグが開幕。荒浜ジュニオールは2試合戦って、1勝1敗という結果。勝利が見られて良かったです。

25~26日は、東北ユースダイレクターの山崎茂雄氏とナショナルトレセンコーチの加藤賢二氏とともに福島県復興トレセンの会議に出席しました。伊藤委員長は、「ナショナルトレセンのコーチの皆様に直接、選手を指導していただいたり、指導者にレクチャーしていただくなど今年も継続していただけることに感謝しています。まだ“トレーニングをしてもらう”感があるので、地域スタッフも積極的に関わって研鑽を積むことで選手への永続的な指導へ繋げたいと考えていますし、福島県もこの支援の間に変わらなければいけないと思っています」と仰っていました。

選手、指導者の向上はもちろん、“将来に残す・つなげる”という目的で行っている復興トレセン。1日目は、福島県サッカー協会の伊藤弥4種技術委員長と各地区のチーフ、2日目は地区トレセンコーチと、ディスカッション形式で2014年度の復興トレセン各地区の反省と課題について議論しました。その中で、トレセン以外の子どもたちを対象としたフェスティバル開催の継続と女子トレセン、3種トレセンのサポート、指導者へのレクチャーも継続的に行ってほしいという要望がでました。そういったことにも応えていきたいと思っています。

両日行われた山崎氏のレクチャーでは、日本がFIFAワールドカップで優勝するために『日常を変える』 (JAPAN'S WAY) というテーマのもと、地域からもっと良くして行こうという共通理解を持てたと思っております。

福島県各地区のトレセン関係者の皆さん、今年度も「PLAYERS FIRST!」で頑張りましょう!

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