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[復興支援活動]手倉森 浩 復興支援特任コーチ 活動レポート(7月) 福島県立湯本高等学校巡回指導
2014年07月30日
7月16日、福島県立湯本高校を訪問しました。
湯本高校サッカー部は、2006年の5月にJヴィレッジでSAMURAI BLUE(日本代表)と練習試合をしたことがあり、昨年(2013年)の東北トレセンを視察した際には、同校サッカー部の監督を務める小林幸大先生にお会いし、「一度、高校を訪問しますよ」と話していました。
今回、ようやくその約束を果たすことができ、小林先生に東日本大震災から現在までの3年間の活動についてお話を伺いました。
同高校は2011年3月11日に起きた地震によって校舎が全壊。その年の夏に、学校のグラウンドに仮設校舎が建てられるまでは、近くの大学の教室を間借りして授業を行い、部活動も大学の施設を借りてやっていたそうです。
今年4月校舎の完成と同時に仮設校舎も撤去され、ようやく学校のグラウンドで練習ができるようになりました。「ここまで本当に長かった」と話す小林先生の表情を見て、震災の爪痕の深さをあらためて感じました。以下、小林先生の話をまとめています。
「東日本大震災で校舎が全壊し、体育館が避難所に、グラウンドが駐車場になるなど、大変な状況になりました。校内の道路も崩壊し、その日は教職員で土嚢を積んで何とか車両が通れるよう整備しました。この状態に追い打ちを掛けたのが原発事故です。
幸い、生徒は全員、無事でしたが、サッカー部の部員たちもバラバラになり、県内外に避難を強いられました。部員全員が再集合できたのは震災から2ヶ月後のゴールデンウィーク明けでした。しかし、その後に転校や退部を余儀無くされた生徒たちもおり、部活動は困難を極めました。
7月までは、市内のいわき明星大学の施設をお借りし、何とか授業や練習を行わせてもらうことができました。翌8月からは学校のグラウンドに建てられたプレハブ校舎での授業が始まりました。しかし、仮設校舎は、まさにサッカー部が練習していた場所に建設されたため、野球部が内野で練習、サッカー部は外野のスペースを使って練習せざるを得なくなりました。40人もの選手がフットサルピッチ2面ほどのスペースで練習するのですから、それは大変です。そんな状態が3年ほど続きました。しかし、生徒たちは不平不満を一切口にせず、黙々と練習に取り組み、グラウンド整備に勤しみました。大人である私たちの方が逆に子どもたちから学ぶことが多かったような気がします。
その間、実に多くの支援を受けました。日本サッカー協会(JFA)からは支援物資を多数いただき、また県外のチームや協会からはフェスティバルのお誘いや合宿での練習場所の提供など、本当に様々な形で湯本高校サッカー部を支えて頂きました。不自由な環境の中で選手たちが毎日サッカーを続けてこられたのも、こうしたサッカーファミリーの支えがあったからにほかなりません。この場をお借りして御礼申し上げます。どうもありがとうございました。
今年4月、3年かかった校舎の改修が終了し、やっと本校舎に戻れました。7月には、グラウンドにあった仮設校舎があっという間に解体され、グラウンド整備工事も終わってようやくサッカー部の日常が戻ってきました。
部員の中には、未だに自宅に帰れない生徒もおり、全てが元に戻ったとは言い難い状況です。恐らく完全に元に戻ることはないのかもしれません。
しかし、不自由の中でも生活できること、学習できること、そして大好きなサッカーができることに感謝しつつ、今できることを精一杯やっていこうと、私も生徒たちとともに日々頑張ろうと思っています」。
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