2009年6月、日本代表は南アフリカワールドカップ出場権をかけた、最後の決戦に臨もうとしていた。
6月6日に行われるアジア最終予選第6戦、アウェイでのウズベキスタン代表戦に勝利すれば、本大会出場が決定する。その重要な一戦を前に、日本は国内でキリンカップに出場し、チリ、ベルギーをともに4-0と撃破して、勢いに乗りつつあった。
そして迎えたウズベキスタン代表との一戦は、開始9分にいきなり歓喜が訪れる。中村憲剛選手のパスに抜け出した岡崎慎司選手が左足でシュート。GKに弾かれたボールを再び岡崎選手が頭で押し込み、先制ゴールを奪ったのだ。その後はウズベキスタンの攻勢にあい、押し込まれる展開が続き、試合終盤には長谷部誠選手が退場になるアクシデントにも見舞われた。それでも集中力を切らさず堅守を保ち続けた日本は、相手の猛攻をしのぎ切り1-0のまま勝利。2試合を残して4大会連続となるワールドカップ出場を決めたのだった。
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横浜国際総合競技場での凱旋マッチとなった4日後のカタール代表戦は、開始2分にオウンゴールで先制しながら、53分に追いつかれ1-1のドロー。さらに6月17日には首位通過をかけて、アウェイでオーストラリア代表と対戦。前半のうちに田中マルクス闘莉王選手のゴールで先制しながら、後半にセットプレーから2点を奪われ逆転負け。まるでドイツワールドカップの戦いを彷彿させるようなショッキングな敗戦となり、日本はオーストラリアの後塵を拝してグループ2位での予選突破となった。
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最終成績は4勝3分1敗、11得点・6失点。盤石の戦いとは言えず、ホームではわずか1勝しか挙げられなかった。一方でアウェイでは3勝を挙げて、逞しさを示したのも事実。長友佑都選手や岡崎選手といった次代を担うタレントが台頭するなど、日本はこのアジア最終予選を通じて大きく成長していった。