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第70回サッカードクターセミナー オンライン開催

2022年03月17日

第70回サッカードクターセミナー オンライン開催

全国の医師・歯科医師を対象としたサッカードクターセミナーが3月6日(日)、オンラインにて開催されました。

今回のセミナーでは、大阪府サッカー協会医学委員会のご協力のもと、講師の選任を行いました。

午前は、「スポーツにおける前十字靭帯損傷の成り立ちと予防」を大阪大学大学院医学系研究科健康スポーツ科学講座運動制御学講師の小笠原一生先生に、続いて、「スポーツの脊椎傷害とサッカー」を関西ろうさい病院整形外科副部長の山﨑良二先生に講義いただきました。どちらもサッカーにおいては受傷頻度の高い傷害ですので、非常に重要なお話でした。午前の最後は特別講演として、「審判員・審判指導者としての経験からサッカー界に伝えたいメッセージ」を元国際副審の廣嶋禎数氏からお話いただきました。ルールや審判に関する話を聞くことはなかなかない機会であり、また廣嶋氏のお人柄もあり、受講された皆さんはどんどん話に引き込まれていました。

その後は、昨年コロナ禍の中で開催された国際サッカー連盟(FIFA)主催の2つのワールドカップ(FIFAビーチサッカーワールドカップロシア2021とFIFA フットサルワールドカップ リトアニア2021)に出場した日本代表チームに帯同された松永怜先生、原口貴久先生からの帯同報告があり、最後は、「サッカーと再生医療」を大阪保健医療大学保健医療学部教授の中村憲正先生から、最新の科学的な知見についてご講義いただきました。

次回(第71回サッカードクターセミナー)は本年10月下旬に、千葉市の高円宮記念JFA夢フィールドでの集合形式を予定しています。

主催者コメント

天野大 先生(大阪府医学委員会)
この度、第70回サッカードクターセミナーは大阪府サッカー協会で担当させていただきました。当初はJーGREEN堺で対面による講義とサッカー実技を行う予定でしたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響により前回同様オンラインで通常2日間のところ講義のみ1日で開催しました。講義では、スポーツ医学、スポーツ脊椎外科、再生医療の最新の知見をお話しいただき、ご参加された先生方にとっても有意義だったと思います。帯同報告ではコロナ禍での海外帯同で通常とは異なる準備や現地での対応をお話しいただきました。また特別講演では普段あまり聞くことのできない審判員の思いが聞けて、大変興味深い内容でした。講師の先生方には限られた時間内に貴重なご講演を賜りまして、本当にありがとうございました。
最後になりましたが、今回も日本シグマックス株式会社、カールストルツ・エンドスコピー・ジャパン株式会社にご協賛していただきましたこと、心より感謝申し上げます。

受講者コメント

飯尾浩平 先生(弘前記念病院)
第70回サッカードクターセミナーにオンラインで参加させていただきました。Jクラブ、学校でも感染がおちつかず、我々の地域は現在部活動も禁止となっています。地域によって感染状況、病院の感染対策もことなるため、現地開催ができるようになったとしても、しばらくはWEB参加もできる環境を作っていただけると幸いです。
小笠原一生先生のバイオメカニクスの講義で、ACL損傷は学会でよく言われている40msecよりもっと前段階の着地した時点で断裂の運命が決まっている、という言葉に衝撃を受けました。小笠原先生には学生時代からお世話になっていたのですが、当時と変わらず情熱をもって仕事を続けている姿に力をもらいました。交通事故予防策を参考にしてACL損傷予防もメンタル、環境などあらゆる観点から介入する必要性があるとおっしゃっていました。山崎良二先生には、脊椎傷害の話しをしていただきました。先日トライアウトでの非骨傷性頚髄損傷の報道があったばかりで、サッカーでも脊椎傷害にはしばしば遭遇します。知識の整理とともに、内視鏡手術の最新の状況を教えていただきました。特別講演では審判指導者の廣嶋禎数インストラクターのお話を伺いました。ルールおよびレフェリーに求められることも変わってきており、普段から審判員の方々と関わることが必要と思いました。ビーチサッカー(松永怜先生)、フットサル(原口貴久先生)の帯同報告では、コロナ禍の大変な中での準備から本番にかけての状況について詳しく報告していただきました。近い世代の先生方が代表を支えている姿に刺激を受けました。最後の中村憲正先生にはバイオセラピーのお話をしていただきました。サッカー選手に対する治療経験は少ないですが、私も多血小板血症(Platelet Rich Plasma:PRP)の研究、治療を行っています。膝関節内投与による疼痛軽減効果は実感しており、エビデンスを積み重ね、もう少しハードルを下げることができればと考えています。
今回勉強させていただいたことを今後の診療、サッカードクター活動に生かして行きたいです。戦争、コロナと暗いニュースが続いていますが、サッカーは世界をひとつにできるものと信じています。はやく以前のように、先生方と直接情報交換をし、一緒にボールを蹴ることができるようになることを祈念いたします。

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