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アジアのピッチから ~JFA公認海外派遣指導者通信~ 第72回 堤喬也 ウズベキスタン・女子代表GKコーチ
2022年11月11日
日々のサッカー活動
2022年2月にウズベキスタンに赴任し9か月が経過しました。ウズベキスタン女子代表のGKコーチとウズベキスタンサッカー協会が運営するアカデミー(11~17歳の男子、国内に14か所)のGK育成を担当しています。
ウズベキスタン女子サッカーのGK事情
ウズベキスタン女子1部リーグ(全10チーム)に所属している選手は、学生以外は全員がプロ契約している選手です。しかし、1部リーグの試合に出場しているGKでさえ、GK歴が1年未満の選手が数名いる現状です。
その中でウズベキスタン女子代表のGKは、日本のGKよりも身長が5~10cm高く身体的なポテンシャルの高い選手たちが占めています。しかし、テクニックや判断の部分で不安定な選手が多いと感じます。試合を観ても、関わりが少なく、状況に応じた味方フィールドプレーヤーへの戦術的なコーチングができない選手が多い印象です。
選手や指導者から話を聞き、各クラブの練習を観ると、GKトレーニングはいまだに旧ソ連時代(1991年にウズベキスタンはソ連から独立)から続くドリルトレーニングがメインであることが判明しました。フィールドプレーヤーとの全体トレーニングでは、監督が戦術的な話をしている時もGKだけ別の場所で休憩をして話を聞かない風景がどのクラブに行っても観られました。
その後の代表活動では、GKトレーニングの際には、試合の状況に似たシチュエーショントレーニングを多く行い、GK自身で判断し決断することをテーマとしました。またフィールドプレーヤーとの全体トレーニングの際には、GKもチームの一員としてチーム戦術を理解することをテーマとしました。その成果として、代表活動を重ねる度にプレーが安定し、戦術的なコーチングの質と量が増えてきたので、今後が楽しみです。
今後、ウズベキスタンで継続的に質の高いGKを輩出していくためには、GKの人口を増やし、育成年代から各年代に合った一貫指導を行うことが大切だと思います。そのために、代表強化だけでなく、GKの育成とグラスルーツにも力を入れていきたいと思います。
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