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ベトナム |
面積 | 人口 | 首都 | 言語 |
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33.1万㎢ | 9,646万人 (2019年) |
ハノイ | ベトナム語 |
ベトナムサッカー連盟
Vietnam Football Federation(VFF)
設立/FIFA加盟 | 最新FIFAランキング (※2021年9月16日発表) |
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1962年/1964年 | 95位 |
FIFAワールドカップ出場 | 日本代表との対戦成績(直近5試合) |
出場なし | 3勝(6得点 1失点) *2007年7月16日初対戦以降、対戦記録3試合のみ |
1994年のFIFAワールドカップアメリカ大会のアジア予選から参加しているベトナムにとって、今回は初めての最終予選になるが、アラブ首長国連邦(UAE)や西野朗監督が率いたタイなど、難敵揃いのグループを突破してきたチーム力は決して侮れない。
東南アジア勢の中でも成長著しいベトナム。大きな転機となったのが2017年9月のこと。韓国人のパク・ハンソ監督が就任すると、徹底した規律をベースに、組織的な守備と鋭いカウンターに磨きをかけた。するとAFFスズキカップ(東南アジアサッカー選手権)で優勝、さらに開催国として以外では初出場となった2019年のAFCアジアカップで、ベスト8に躍進した。
そのベトナムを準々決勝で破ったのは森保一監督が率いる日本だ。
しかしながらベトナムとしては大健闘と言える内容であり、ベトナムの成長を知らしめる試合となった。日本は後半に堂安律選手のPKでリードすると、吉田麻也選手と冨安健洋選手がセンターバックを組むディフェンスは最後までベトナムにゴールを割らせなかったが、グエン・クアン・ハイ選手などが繰り出す果敢なドリブルに苦しめられた。
5ー4ー1を基調とするベトナムは5バックを上下動させながら中盤から前の5人が激しいプレスをかけてボールを奪いに行く。そして奪ったら素早く攻撃に切り替えて、ボランチのグエン・トゥアン・アイン選手を主な起点としてシンプルにつなぎ、ボールホルダーは前にスペースがあれば積極的に持ち運ぶ。
ベトナムにボールを保持するという趣向はほとんど無いが、だからと言って守備的なわけではない。自分たちの攻撃になれば、できるだけ素早く縦にボールを運んでチャンスに結び付ける意識が徹底されているのだ。ハードワークをベースとするベトナムは短い攻撃時間でも、左右のサイドバックが積極的に攻め上がり、高速クロスや斜めに突破してのミドルシュートなど、ベトナムの攻撃に迫力と多様性をもたらしている。
ベトナムと日本は2018年にインドネシアのジャカルタで開催されたアジア大会において、ベトナムはU-23、日本はU-21のチームで、同じくパク・ハンソ監督と森保監督が率いる形で対戦している。日本はグエン・クアン・ハイ選手(上写真19番)のゴールで0-1の敗戦を喫しているが、三好康児選手をはじめ東京オリンピック世代の選手たちが苦い経験をしている。
今では”ベトナムサッカーの父”とまで敬称されるパク・ハンソ監督は試合展開や時間帯に応じた選手交代にも長けており、90分間ハードワークを維持しながら攻撃に鋭さを加えたり、守備を強めたりできる。唯一セットプレーでの高さにウィークポイントはあるものの、厳しく体を寄せて自由にヘディングさせない意識はチームに浸透している。チームとしての一体感が素晴らしく、それでいてアタッカーが個性的な輝きを放つベトナムには要注意だ。