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【Match Report】SAMURAI BLUE、ブラジル代表に後半のPKで惜敗
2022年06月07日
SAMURAI BLUE(日本代表)は6月6日(月)、東京の国立競技場で行われたキリンチャレンジカップ2022第2戦でブラジル代表と対戦し、前半を0-0で折り返しながらも、後半半ば過ぎにネイマール選手(パリ・サンジェルマン)にPKでの得点を許して0-1で敗れました。対戦成績は2分け11敗となりました。
11月にカタールで開幕するFIFAワールドカップを控えて、FIFAランキング1位のブラジルとの対戦は日本にとっては現在地を確かめ、収穫や課題を確認する絶好の機会です。過去10年間の対戦では4戦4敗で、いずれも3失点以上を喫してきた相手でした。
雨が降り続く中、63,638人の観客が詰めかけた対戦で、日本は2日に勝利したパラグアイ戦から先発メンバーを入れ替えて、アジア最終予選(Road to Qatar)を勝ち抜いてきた顔ぶれを中心に起用。その中で、右サイドバックにはこれまで左サイドバックを担ってきた長友佑都選手(FC東京)を置き、左サイドバックには中山雄太選手(PECズヴォレ)、センターバックに吉田麻也選手(サンプドリア)と板倉滉選手(シャルケ04)、GKには権田修一選手(清水エスパルス)を配しました。
中盤の底には遠藤航選手(VfBシュツットガルト)、インサイドハーフに原口元気選手(1.FCウニオン・ベルリン)と田中碧選手(フォルトゥナ・デュッセルドルフ)、前線には右に伊東純也選手(KRCヘンク)、左に南野拓実選手(リバプールFC)、中央に古橋亨梧選手(セルティック)を起用して臨みました。
2日の韓国との親善試合に5-1と快勝して来日したブラジルは、この日も試合早々からネイマール選手を中心にルーカス・パケタ選手(オリンピック・リヨン)、ラフィーニャ選手(リーズ・ユナイテッド)らを中心に攻撃を展開します。
詰めの鋭い寄せで日本にプレッシャーをかけ、開始早々にはネイマール選手のヒールパスにパケタ選手が右足を振ってポストに弾かれる場面を作り、19分にはDFダニエウ・アウベス選手が攻め上がり、ラフィーニャ選手が右サイドからゴールを狙います。27分と41分にはネイマール選手が右足から鋭いシュートを放ちましたが、GK権田選手が個の場面を含めて再三の好セーブでゴールを守ります。
ボールを持たれて押し込まれる場面は作られながらも、日本は集中を保ってハードかつ冷静に対応。遠藤選手、原口選手が中盤でボールを奪う場面からサイドに展開して攻撃へ転じ、特に右サイドで原口選手と伊東選手に長友選手が絡む形でチャンスメークを試みます。
32分には伊東選手のクロスに古橋選手が頭で合わせますが枠を捉えることはできず、36分にはインナーラップで前線に顔を出した長友選手が伊東選手からパスを受けてゴールを狙う場面を作ります。
前半を0-0で折り返すと、日本は後半から原口選手に代えて鎌田大地選手(アイントラハト・フランクフルト)を投入。51分には後方からのロングボールを跳ね返された後のこぼれ球に古橋選手が鋭く反応。ペナルティエリア前から思い切りよく右足を振りましたが、これは相手DFに当たってゴールはなりません。
58分には伊東選手の縦パスを前線に上がって受けた長友選手がゴール前に折り返し、エリア内でこぼれ球に反応した田中選手がシュートを放ちましたが、これも相手DFにブロックされました。
日本は67分に前田大然選手(セルティック)、72分には三笘薫選手(ユニオン・サンジロワーズ)と堂安律選手(PSVアイントホーフェン)を送り出し、守備意識を高く保ちながら得点機を探ります。
しかし、ゴールを決めたのはブラジルでした。75分にゴール前に一気に攻め込まれて、ペナルティエリアで交代出場のリシャルリソン選手を倒したとしてPKを与えてしまいます。これをネイマール選手が決めて、均衡を破りました。
追いつきたい日本はその後、81分に柴崎岳選手(CDレガネス)とDF山根視来選手(川崎フロンターレ)を投入して、4-2-3-1に布陣を変更。その2分後には堂安選手の右CKに遠藤選手が頭で狙い、終盤には三笘選手がドリブルで切り込み、味方とのワン・ツーパスでペナルティエリア内へ持ち込む場面も作りましたが、ゴールにつなげることはできず、0-1で試合を終えました。
日本代表はこれでキリンチャレンジカップ2022を1勝1敗で終了。強化試合4連戦の後半戦となるキリンカップサッカーでの2連戦に臨みます。10日(金)に神戸でガーナ代表、14日(火)に大阪でチリ代表またはチュニジア代表と対戦します。
監督・選手コメント
森保一 SAMURAI BLUE(日本代表)監督
勝利を目指して戦う準備をして臨みましたが、勝てずに残念です。我慢強く戦う時間帯が増えることは承知の上で、選手たちも我慢強く粘り強く戦いつつ、攻撃の姿勢を忘れずにゴールに向かっていくことを見せてくれましたが、結果が伴いませんでした。「惜しい」ではだめなことは分かっていますが、選手たちがいま自分たちができるベストを続けたことは、未来の勝利と勝点に向けて積み上げていくものがありました。ベストをぶつけてチャレンジし、アグレッシブに我慢強く戦うことを表現してくれたことにポジティブな評価を持っています。次を予測して動き出すことが必要だと伝えていましたが、相手のプレッシャーを外すだけの判断の速さ、予測力は見せてくれたと思います。FIFAランク一桁の相手にも全く負けていない、頼もしさや自信を感じました。
前半の入りから難しいプレッシャーに遭っていましたが、やり続けることで、後半相手のアタッキングサードにも入って、我々の形に持っていけました。継続していけば最終的にはもっとシュートの形を作れるようになると思いますし、選手たちがやれるところはまだまだあります。今日のような経験を積めばもっとレベルアップできると思いますが、強豪から勝点を奪うためには攻撃力を上げる必要があります。ボールを奪ってから前に運ぶ、相手のプレッシャーを外す部分、ボールを保持して相手のブロックにもっと入って行けるように相手を動かしながら攻撃する、相手の圧力よりも早く良いポジションをとってボールを繋げるところは上げていかなければいけない。守備では1失点しましたが、ボールロストしてからの守備や最後のところで相手の攻撃を粘り強く止める部分など、強豪相手にやらなくてはいけないことは選手たちが見せてくれていました。そこを継続しつつ、攻撃力をあげていけるようにトライしていきたいと思います。
DF #5 長友佑都 選手(FC東京)
非常に楽しめました。ビニシウスに絶対に仕事をさせないという気持ちで試合に入って、みんなのサポートもあって、そこまで仕事をさせなかったと思います。その点では満足です。以前の対戦ではブラジルには太刀打ちできず、いつも悲壮感を感じて何もできない自分に腹ただしく思っていました。今日も1点差以上の差はあったと思いますが、今までの試合と比べて僕自身は手ごたえを感じました。ただ、今日もパスミスで相手にチャンスを作られてショートカウンターを浴びることが多々あったので、精度を上げないと厳しいですし、最終的な個のところで相手を剥がせないと厳しいです。そこはブラジルと大きな差を感じます。一人ひとりが個ではがすこと、取られてもいいから勝負しにいく、強気の姿勢をみせないと本大会で勝点を獲るのは難しくなると思います。
DF #22 吉田麻也 選手(サンプドリア/イタリア)
課題と収穫と両方あって、実力差は点差以上にあると思っています。ブラジルはボックス付近でボールを持つとクオリティを出してきましたが、今日はネイマールもリシャルリソンも本来のクオリティではなかったと思います。プレスのはめ方や相手のプレスをかいくぐってボールを運ぶことなどできることもありましたが、ワールドカップ本番はこんなものではありません。0-1という結果に慢心せず、精度も強度も上げていかないとならない。0-0で終えないといけない試合で、メンバーが変わったタイミングで失点して、これを1-1に戻して勝点1をもぎ取ることが必要です。最後に三笘選手が2回、1対1を作りましたが、ああいう場面をもっと作りたかったです。サイドにスペースがある中で仕掛ける場面を何度もつくるように改善しないとならないですし、崩し方はいくつか持っていた方がいい。セットプレーは確実に改善しなければならないと思っています。
MF/FW #6 遠藤航 選手(VfBシュツットガルト/ドイツ)
全体的には悪くなかったかなと思いますが、相手もコンディションが100%ではないなか、最後に1点獲られてしまうところを考えると、ブラジルとはまだまだ日本の力の差はあるかなと感じます。前半は奪ったあとに前へ前へという意識があって悪くなかったのですが、個人的にはもうちょっとやり直すプレーがあってもよかったかと。ハーフタイムにその話をして、後半は今度はボールを持つ感覚がチームとしてあり過ぎて少し前へいけなかった。前を向いたときに距離感が遠くて、相手も4-4のブロックを敷いていたので、もう少しインサイドハーフにボールを付けられれば良かったですし、繋げたり、長いボールを織り交ぜながら縦に付けるところの判断はもう少し上手くやれたかと思います。守備の時間が長かったのでシュートまで持っていくシーンは少なかった。チームとして、ブラジルのような相手に先に点をとる、最後に追いつくにはどうしたらいいかは、これからもっと考えてやっていきたいです。
MF/FW #15 三笘薫 選手(ユニオン・サンジロワーズ/ベルギー)
自分の得意な形で仕掛けることはできたと思いますが、相手の強さを感じましたし、スピードのところでもまだまだ全然足りないと感じました。仕掛けるところとパスするところの判断をうまく使っていかないといけないですし、時間がなかったので仕掛けることは意識していましたが、そこ(仕掛け)でも流れを変えることはできなかったので、もっとスピードとフィジカルを上げるべきだと思います。ブラジルは、誰が出ても同じようなレベルを出してきて、いろいろな選手がアイデアを持って崩してきます。一人一人に崩す能力の高さがあって、全員攻撃ができて全員守備ができてドリブルができてパスもできる。平均値がとてつもなく高いので、そこを上げていかないとなりません。1試合は勝ったり引き分けることができるかもしれないですが、その確率を高めるためにやっていかないとならない思います。
チッチ ブラジル代表監督
非常にハイレベルな戦いでした。両チームとも高いクオリティを示した競い合った内容で、ワールドカップレベルの戦いであり、特にメンタル面にそれがあったと思います。そのなかで我々は何とか得点をしようと執拗に追い続けたことでゴールを得て、勝利を得たと思っています。
セザール・サンパイオ ブラジル代表コーチ
日本と(日本戦の前に戦った)韓国は非常に似通ったゲームモデルを持っていますが、韓国の方がより動きが多くてフィジカルを使います。日本はテクニックを重視したゲームで非常に強いDFラインを持っていて、森保監督が作り上げたメカニズムがよく調整されていると感じました。それは8戦無敗という結果にも表れています。ワールドカップでは韓国とはラウンド16で当たる可能性もあるので、今回の遠征は良い経験になりました。
2022年6月6日(月) 19:20 キックオフ(予定)vs ブラジル代表
会場:東京都/国立競技場
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