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「悔いのない全力プレーに期待」森山佳郎監督(U-16/U-15日本代表)インタビュー 高円宮杯 JFA 第32回全日本U-15サッカー選手権大会

2020年12月10日

「悔いのない全力プレーに期待」森山佳郎監督(U-16/U-15日本代表)インタビュー 高円宮杯 JFA 第32回全日本U-15サッカー選手権大会

高円宮杯 JFA 第32回全日本U-15サッカー選手権大会が12月12日(土)に開幕します。ここでは現在、U-16/U-15日本代表で監督を務める森山佳郎監督に、大会の特徴や出場選手へのメッセージを聞きました。

オンライン取材日:2020年11月29日

――特に印象に残っている大会はありますか。

森山 今のU-16日本代表の選手が、たくさん参加した昨年度の大会はよく覚えています。優勝したガンバ大阪ジュニアユースだけでなく、準優勝のサガン鳥栖U-15、準決勝まで進んだ大宮アルディージャU15の選手も複数人の選手が代表に食い込んでいます。国際大会に近い緊張感を味わえる準決勝以降は、ピッチで輝ける選手が多かったのが印象的です。

――クラブチームと中体連のチームが、同じ舞台で戦うのは本大会の特徴の一つと言えます。

森山 今大会にも中体連から上位入りできるだけの力を持つ青森山田中学校に加え、日章学園中学校も参加します。予選を数試合見ると、中体連だけでなく最近は関東も関西もタウンクラブの元気があり、複数のチームが全国大会に進んでいます。彼らは虎視眈々と、Jリーグクラブ傘下のアカデミーチームに勝つための対策をしています。チャレンジャーほど怖いものはないといいますか、野心に溢れたチームばかりなので、アカデミーチームも戦う姿勢が少しでも足りないだけで、取りこぼす大会ではないでしょうか。

――地域やカテゴリーが異なるチームとの対戦ではどのようなものが得られでしょう。

森山 特徴が異なるさまざまなカテゴリーのチームと対戦すると、学べることがたくさんあります。「相手が中央を止めに来たら、俺たちはサイドから切り崩そう」といった臨機応変な対応ができないのが、日本の課題と言われています。元日本代表監督のイビチャ・オシムさんも、11月にSAMURAI BLUE(日本代表)がメキシコ代表と戦った試合を見て、「選手一人一人の分析力を磨いていくことが、これからの日本サッカーに大事だ」と言っていたそうです。3種年代の選手も、監督の指示だけが判断基準ではなく、ゲームの状況や対戦相手の特徴、相手が何をしようとしているのか、しっかり把握して対応する力を身につけてほしい。指導者の方にも、判断する力を上げていく働き掛けをしてほしいですね。

――短期間で複数のチームと対戦すると、試合ごとの対応も大事になります。

森山 私も2種年代を10年以上指導してきましたが、対戦相手を分析する中で、対応策だけでなく、相手の良さを学べました。全国にはシンプルなワンツーを効果的に利用するチーム、トップに当てた時のサポートが速いチームなどいろいろな特徴を持ったチームがあります。守備でも、ボールを失いそうなタイミングで切り替えているチームもあります。戦いながら、相手の良さまで身につけていけるのが、こうした大会の良さだと思いますし、個人としてもプラスアルファの部分を身につけてほしいですね。

――12月28日(月)に行われる今大会の決勝は、JFA第25回全日本U-15女子サッカー選手権大会と同日開催になります。

森山 女子もWEリーグが始まるため、選手は「今からやるぞ!」という思いが強いでしょう。今まではプロリーグがない中で頑張ってきましたが、今から大きく拓ける未来に向かっていく中でプレーできるのはモチベーションがかなり上がるのではないでしょうか。そうした選手を見られるのは、私としても楽しみです。

――中学3年生にとっては中学最後の大舞台でもあります。どのようなプレーを期待したいですか。

森山 3年生は夏の全国大会を含めさまざまな大会が中止になり、悔しい思いや辛い思いをしたでしょう。今大会にはそうした苦労をしながらも、全国大会の出場権をつかんだ選手ばかりです。最後に3年間苦楽を共にした最高の仲間たちとサッカーができるチャンスを得たからには、これまでの思いを全てぶつけてほしいです。サンフレッチェ広島F.Cユースを指揮していた頃は3年生に対し、「最後に君たちが試合や練習で見せる態度が、クラブの伝統になっていく。後輩たちに生き様を見せてこい!」と声を掛けていました。一方で下級生には「これまでいろいろと苦労しながら、頑張ってきた3年生を最高の形で、送り出せるよう最大限のサポートをしてあげよう」と伝えていました。

――最後に出場する選手にメッセージをお願いします。

森山 選手には、悔いなく楽しんでほしいと思います。悔いがないという状態は、自分の持っている力を全て出し切った状態です。出し切れたなら勝利に近づくでしょうし、もし負けたとしても、「自分たちの力が足りなかったんだ」と素直に受け止めることもできるでしょう。思うように自分たちの力が出せずに負けたら、悔いが残ると思うので、相手を恐れることなく、倒れるまで走るくらいの気持ちで全力を出してほしいですね。

森山佳郎監督のインタビューは、大会公式プログラムに掲載されています。

大会期間:2020年12月12日(土)~12月28日(月)
会場:
1回戦~準々決勝
コーエィ前橋フットボールセンター(群馬県)、前橋総合運動公園群馬電工陸上競技・サッカー場(群馬県)、J-GREEN 堺(大阪府)
準決勝~決勝
味の素フィールド西が丘(東京都)

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