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高円宮U-18サッカーリーグ2014
高円宮U-18サッカーリーグ2014
2014/4/6(日)〜2014/12/7(日)

チーム紹介

清水エスパルスユース

変幻自在の清水ユース、頂点に立つために必要なこと

清水港から駿河湾へ鉤型に突き出た三保半島の先端に、清水エスパルスの活動拠点がある。名勝「三保松原」は昨年、富士山が世界遺産に登録された際に構成資産に指定された絶景の地だ。そこから車で5分ほどの場所に、育成組織が使用する人工芝グラウンドと、2012年に完成したクラブハウスがある。ユースが使用する練習場からも富士山を望むことができる。

チームを率いる平岡宏章監督は「世界遺産に登録されてうれしくは思いますが、清水に生まれ育てば、毎朝外に出ると富士山が見えるのは当たり前なので特に意識はしないですよ」と笑うが、土地に馴染んだ当たり前の風景というものは、サッカーにも少なからず影響を与えている。静岡と言えば、富士山、お茶、みかんに並んでサッカーどころとしても有名だ。Jリーグが始まる以前から技術に秀でた選手を多く輩出して「サッカー王国」として全国にインパクトを与えてきた。

平岡監督は「清水の子どもたちは、アイデアを持ちながらチャレンジしているなと強く感じます。かつては風間八宏さん、そして3羽ガラス(大榎克己、長谷川健太、堀池巧)、それから三浦泰年・知良兄弟、さらに澤登正朗さん……と多彩なアイデアを持った選手を輩出してきた土地の歴史が生み出す特長じゃないでしょうか」と、多くの技巧派が見る目の肥えた世界で育っている背景を明かした。県民のサッカーに対する関心度の高さも群を抜く。新聞、スポーツ紙にはプロクラブに限らない地元サッカー情報が豊富に掲載されている。

右サイドを主戦場に多彩な攻撃を繰り出すMF西澤健太選手は「静岡は技術力の高い選手が多いと言われているらしいですが、僕たち自身は特に意識はしていません。ただ、澤登さんたちを見て育ってきたので、テクニックなどの面で気にして見ているところは確かにあると思います」と話す。

そのような中で育つ清水ユースの選手は、毎年、多彩な攻撃で観衆を魅了している。チームとしても得点力の高さが目立つ。今季もエースの北川航也選手が長く離脱していたにも関わらず、第11節終了時点でリーグトップの得点を挙げている。左から突破口を切り開くMF望月大選手は「得点力では、ほかのチームに負けたくない。どこからでも点を取れるのが、僕たちの特長。パサーもいるし、僕はドリブラーだし、航也がいれば抜け出しが速い。いろいろな武器があって、やっていて楽しい」と言い、MF宮本航汰選手は「ほかのチームが大量得点で勝ったと聞くと、何か悔しい。そこだけは負けられない」とやはり得点力にこだわりを示した。普段から判断力を求められる練習メニューが多く、彼らは常に相手の予測を裏切る攻撃を磨いている。防ぎ方が分からなくなるような攻撃こそ、清水ユースが誇る特長だ。

しかし、それでも全国タイトルから遠ざかっている現実が、課題を突き付けている。得点力は高いが失点数も多く、高体連勢への苦手意識も見られる。平岡監督は弱点克服のために「ひたむきさ」をテーマに掲げて、あえてボールを使わないメニューも取り入れた。通常メニューを終えた後でダッシュを行って「決められた距離まで走り切ろう。手前で力を抜く選手はいらないぞ」と指摘。その後の筋力トレーニングでは「ごちそうさまが聞こえないから、もう一つやるか」とコーチの声が飛んだ途端に選手が「お腹いっぱいです。ごちそうさまでした!」とすかさず返すやりとりも見られた。

毎年、圧倒している攻撃力をさらに磨き、苦手分野でも逃げないひたむきさを手に入れる――。すべては、練習場から見える富士山のように、日本一となり、世界に通じる存在となるためだ。


  • 2012年に全面改修によって新設された育成組織専用のクラブハウス

  • 選手の多くはクラブが用意するバスで練習場へ通う

  • 平岡監督のあいさつから練習がスタートする

  • 対面パス、リフティングパスと練習メニューは進んでいく

  • GK練習に取り組む選手たち。写真はハイボールをキャッチングで処理する練習

  • 紅白戦では激しく体をぶつけ合う場面も。気持ちのこもった練習が続く

  • すべての練習メニューを消化した後にダッシュを行う

  • ダッシュ後の腕立て伏せでは、体が言うことを聞かず、思わず笑い出す選手も

  • 練習後はクラブハウスですぐに牛乳を1人1本飲むのが日課となっている
監督・選手コメント

平岡宏章 監督
8月に大榎克己監督がトップチームの監督になり、コーチから昇格しました。これまで通りに自由な発想、豊かな個性を育んでいきたいと考えています。ただ、近代サッカーにはアスリート性が強く求められていますし、これまではなかった素走りも取り入れています。苦手なことから逃げないひたむきさも大切。ストレスを抱えた中でもポジティブに取り組める選手になってほしいと思います。

MF 11 望月大 選手
シーズン途中で監督が替わりましたが、これまで通りのベースに、裏を取る動きなど走力の部分が加わる形の練習になっていて、これを続ければもっとうまく、強くなれるとみんながプラスに考えてやっています。個人としてはパスワークの中から自分のドリブルで変化を加えたいと思っています。チームとしては、前期は2位でしたが、必ず最後は1位に立ちたいと思っています。

MF 25 西澤健太 選手
静岡はサッカーの関心度が高くて、高校生の試合でも多くの人が見てくれます。相手を抜いてシュートを決めるときだけでなく、予測をしていないプレーをすると歓声が沸くのが気持ちいいです。僕は、見ている人が何をするか分からないという選手になりたいので、そのあたりは意識してやっています。リーグ戦も半分を終えましたが、勝ち続けて最後は平岡さんを胴上げしたいです。

MF 6 宮本航汰 選手
僕たちのチームは、一人ひとりに個性があり、長所を伸ばすことができていると思います。僕自身は長短のパスの使い分けと精度は譲れません。監督が替わっても、個性があって攻撃的なサッカーを目指すことは変わりません。その中で切り替えの早さとハードワークが加われば怖いものはなくなると思うので、監督を信じてやっていきたいと思います。

チームWebサイト

http://www.s-pulse.co.jp/youth_teams/
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