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鹿島がプレーオフで敗退、FC東京は本戦へ ~AFCチャンピオンズリーグ2020~
2020年01月29日
AFCチャンピオンズリーグ(ACL)2020の予選プレーオフが1月28日(火)に行われ、昨季Jリーグ2位のFC東京はセレス・ネグロスFC(フィリピン)に2-0で勝って本戦出場を決めましたが、同3位で2018年大会を制した鹿島アントラーズは、ホームでメルボルン・ビクトリー(オーストラリア)に0-1で敗れて出場を逃し、プレーオフで姿を消した初の日本チームとなりました。
この結果、2月11日(火)に始まる東地区のグループステージには、Jリーグ王者の横浜F・マリノス、天皇杯優勝のヴィッセル神戸、FC東京の3チームが日本から出場します。
鹿島、チャンスに決められず
ザーゴ新監督での新体制での初陣は、1月1日の天皇杯決勝から4週間。チームが始動は8日だが決勝を戦った主力の合流は16日。AFC U23選手権の出場メンバーが加わったのは22日。鹿島は短い期間で新指揮官の下で臨みましたが、万全とは言えないコンディションが響く形になりました。
降りしきる雨が強い風に舞う中、鹿島はDF奈良竜樹選手やMF和泉竜司ら新加入選手6人を先発に起用。互いの呼吸を探りながらのプレーでパスやサポートのタイミングが合わない場面も見られましたが、積極的に動いて、前半半ば頃から徐々にパスがつながるようになります。
MFファン・アラーノ選手やDF広瀬陸斗選手が右サイドで仕掛け、サイドチェンジを交えてワイドにプレーを展開。相手を揺さぶりながら攻撃を組み立てる姿勢を見せ、相手ゴールに迫る場面を作るようになります。
シーズン中で動きの良いメルボルンVは5バックで守備を固めながら、積極的にプレッシャーをかけてボールを奪い、カウンターに転じる戦いを見せますが、38分のMFヤコブ・ポウルセン選手のミドルシュート以外、チャンスらしいチャンスもなく、前半を終えます。
しかし後半に入ると、メルボルンは開始6分でFWアンドリュー・ナバウト選手がミドルレンジからシュートを放ち、その4分後に均衡を破ります。
左サイドで鹿島のスローインを奪ってMFリー・ブロクサム選手、FWケンジョク・アティウ選手とつないでナバウト選手へボールが渡ると、元浦和レッズFWはペナルティエリア外から左足でシュート。これが鹿島の選手に当たってコースが変わり、ゴールに吸い込まれました。
1点を追う鹿島は65分過ぎから和泉選手、エヴェラウド選手らが立て続けにシュートを放ち、72分にはMF白崎凌兵選手、その5分後にはFW伊藤翔選手をベンチから送り出し、攻勢をかけます。
78分には広瀬選手の右クロスにゴール前に伊藤選手が滑り込んで合わせますが、枠をとらえることはできません。82分にはアラーノ選手がペナルティエリア右からシュート。88分には左CKの流れからMF土居聖真選手が左足で狙いますが、いずれもGKローレンス・トーマス選手に阻まれました。
鹿島は相手の6本に対して17本のシュートを放ちましたが、相手GKのセーブもあって最後までゴールを割ることができず、0-1で終了。本戦出場はなりませんでした。日本のクラブがプレーオフで姿を消すのは、2015年に柏レイソルがプレーオフに出場して以来、初めてのことです。
FC東京、後半に2得点
FC東京のホーム、味の素スタジアムで行われたフィリピンリーグ王者のセレス・ネグロスとの対戦は、激しい雨でピッチに水が浮き、ボールが止まってしまう難しいコンディションになりましたが、FC東京が粘り強く戦い、後半の2得点で勝利を手にしました。
0-0で折り返した48分、FC東京はゴール前の混戦でMFアダイウトン選手がハイボールを収めてMF安部柊斗選手へつなぎ、安部選手からパスを受けたDF室屋成選手が右足を振り抜いて、先制しました。
FC東京は89分にも追加点を奪います。中盤から抜け出したアダイウトン選手が、ペナルティエリア外から前に出てきた相手GKの頭上を越えるシュートを決めて2-0としました。FC東京の本戦出場は2016年以来4シーズンぶりです。
このほかのプレーオフでは、中国の上海申花がタイのブリーラム・ユナイテッドに3-0で勝って、横浜FM、シドニーFC(オーストラリア)、全北現代(韓国)と同じグループHに入りました。
FC東京はグループFで、蔚山現代(韓国)、上海申花(中国)、パース・グローリー(オーストラリア)と対戦。神戸は水原三星(韓国)、広州恒大(中国)、ジョホール・ダルル・タクジム(マレーシア)とグループGで戦います。
また、西地区ではDF塩谷司選手がプレーするUAEのアルアインも、28日(火)にホームでのプレーオフでウズベキスタンのブニョドコルと対戦。塩谷選手はフル出場で1-0の勝利に貢献しました。本戦では、セパハン(イラン)、アルサッド(カタール)、アルナスル(サウジアラビア)とグループDで戦います。
グループステージは5月6日(水)まで行われ、各組上位2位までがノックアウトステージへ進出します。
ラウンド16は5月26、27日と6月16、17日、準々決勝は8月25、26日と9月16、17日、準決勝は9月29、30日と10月20、21日に開催。決勝は11月22日、28日に行われます。ラウンド16終了後、準々決勝の組み合わせ抽選が行われる予定です。なお、優勝チームはFIFAクラブワールドカップへの出場権を獲得します。
監督・選手コメント
ザーゴ 監督(鹿島アントラーズ)
大事な大会に出場できず、失望しています。シュートは我々の17に対して6、ポゼッションも75%に対して25%でワンサイドゲームでした。ですがシュートを決めなければ勝つことはできません。チームが始動して2週間で、選手たちは私が目指しているところをやろうとして、パスワークやアグレッシブさ、縦への意識を出して一生懸命やってくれましたが、コンディション面で頭と体が一致していないところがありました。普段なら外さないシュートを決められないなど、フィットネスの部分が大きかった。結果は残念ですが、選手たちがやろうとしているところは評価できます。しっかりチームを作っていきたいと思います。
MF 三竿健斗 選手(鹿島アントラーズ)
本当に申し訳ない気持ちで、自分自身も不甲斐ない気持ちです。内容も悪いですし、結果も悪かった。その中でも試合は勝たなければいけないので、言い訳はできません。チャンスはあったので決めきるところや、最後の最後でしっかり守るところなど、足りなかったと思います。この結果に目を背けないで逃げずにやりたい。チームがここから大きく成長して、タイトルを取れるようにやっていきたいと思います。
MF 土居聖真 選手(鹿島アントラーズ)
ボールを支配していても、一瞬のスキでやられたりします。僕らの集中力の欠けたプレーが招いた結果だと思います。(短い準備期間で)それを言い訳にしたくないですし、どんな状況でも勝たなければいけないのがこのクラブです。心が痛いです。すごく申し訳ない気持ちでいっぱいです。
カルロス・サルバチュア 監督(メルボルン・ビクトリー)
アウェイでのACLの対戦にクラブとして初めて勝てて、うれしく思います。10日で4試合というハードな日程の中で、鹿島は組織的な素晴らしいチームですが、我々はコンパクトにプレーして、5バックも鹿島対策でベストと判断して採用しました。チャンスを掴むことができました。これで我々の夢が続いていきます。
大会期間:
プレーオフ:2020年1月28日(火)
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