Franceフランス代表
About Qualifier予選の戦いについて
1984年のロサンゼルスオリンピックで金メダルを獲得した経験もあるフランスだが、近年はこの大会とは縁遠かった。直近の出場は1996年のアトランタオリンピック。以降はヨーロッパ予選を勝ち抜けなかったが、世界一に輝いたフル代表と同様に、東京オリンピック世代も強化が進み、今大会の予選を兼ねた2019年のU-21EUROでベスト4に入って、13回目の出場を決めた。
グループリーグではイングランド、クロアチア、ルーマニアと対戦。
初戦のイングランド戦では、54分に先制される苦しい展開も、終了間際の89分にFWジョナタン・イコネのゴールで追いつくと、アディショナルタイムにはDFアーロン・ワン・ビサカが値千金の決勝ゴールをマーク。劇的な展開で2-1と逆転勝利を収めた。
続くクロアチア戦では、開始8分のFWムサ・デンベレのゴールを守り抜き、1-0で勝利。
しかし第3戦ではルーマニアとスコアレスドローに終わってしまう。
この結果、2勝1分で勝点7としたが、得失点差でルーマニアを下回り、グループ2位となった。それでも、グループ2位の中では成績最上位となり、準決勝進出を決めるとともに、オリンピックの出場権を手にした。
Match Previewマッチプレビュー
2018年のFIFAワールドカップを制した現世界王者のフランスが、6大会ぶりにオリンピックに参戦する。
オリンピックでの対戦戦績は、1968年メキシコ大会での一度のみ。この時は準々決勝で顔を合わせ、FW釜本邦茂の2ゴールなどで、日本が3-1と勝利している。
フル代表での対戦は6度あり、通算戦績は日本の1勝1分4敗。
直近の対戦は2012年、フランスで行われた親善試合で、この時は終了間際のMF香川真司のゴールで1-0と日本が初勝利を挙げている。
世界トップクラスの実力を持つフランスは、先のEURO2020では優勝候補に挙げられながらも、ベスト16でスイスに敗戦。そのチームにはFWキリアン・ムバッペをはじめ、FWマルクス・テュラム、FWウスマン・デンベレ、DFジュール・クンデと、東京オリンピックの年齢制限に含まれる1997年生まれ以降の選手たちが登録されていた。
6月25日に発表された東京オリンピックのメンバーにこの4選手は加わらなかったものの、MFエドゥアルド・カマビンガら、次代を担う逸材たちが登録メンバーに入っていた。ところが、所属クラブの招集拒否が相次ぎ、7月2日に再度メンバーを発表。カマビンガをはじめ、DFウィリアム・サリバ、DFマラング・サールら8選手が登録メンバーから外れている。
いわゆるベストメンバーを招集できなかった印象のフランスだが、それでもイタリアやスペインなど欧州トップリーグでプレーする実力者が揃うだけに、日本にとって難敵であることに変わりはない。
さらに、オーバーエイジとして加わった3選手も経験豊富なタレントたちだ。
得点力も備えたセントラルMFのテジ・サバニエ、スピードが売りのMFフロリアン・トバン、そして35歳のベテランストライカーであるFWアンドレ・ピエール・ジニャクの3人だ。
特に警戒したいのはジニャクだ。フル代表でも実績があり、フランスリーグ得点王の経歴も持つ強烈なストライカーは、現在、メキシコのティグレスに在籍。2020-21シーズンは16ゴールを記録したように、決定力の高さは健在だ。
また、トバンの突破力も侮れない。2020-21シーズンはマルセイユでDF酒井宏樹とともにプレー(シーズン終了後にメキシコのティグレスに移籍)。8得点8アシストと多くのゴールに絡んでいる。このオーバーエイジの2人がフランスの攻撃の重要人物となる。
日本も酒井、そしてDF吉田麻也とのオーバーエイジコンビが、彼らを食い止められるかが大きなポイントとなるだろう。とりわけ酒井は、トバンとマッチアップする可能性が高いが、昨季までの同僚の特長を知り得ているだけに、その攻防で優位に立てれば、日本にとって大きなアドバンテージとなるだろう。