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【Match Report】SAMURAI BLUE、南野選手、伊東選手の得点でサウジアラビアに快勝、7大会連続出場へ王手
2022年02月02日
SAMURAI BLUE(日本代表)は2月1日(火)、埼玉スタジアム2002で行われたFIFAワールドカップのアジア最終予選(Road to Qatar)第8戦でグループB首位のサウジアラビア代表と対戦し、南野拓実選手(リバプールFC)と伊東純也選手(KRCヘンク)の4戦連続ゴールで2-0と快勝し、5連勝で2位を維持しました。日本は次節アウェイでのオーストラリア代表戦に勝てば、1試合を残して7大会連続でのワールドカップ出場が決まります。
前回10月のアウェイ戦で、最終予選3試合で2敗目となる黒星を喫したサウジアラビアを相手に、今回日本はチームの成長を感じさせるパフォーマンスで違いを見せました。
勝てば予選突破が決まるサウジアラビアは試合開始から激しくプレッシャーをかけ、左サイドバックのDFヤシル・アルシャハラニ選手を中心に攻撃の組み立てを試みます。前半23分にMFアブドゥレラー・アルマルキ選手が負傷交代となりましたが、27分にはCKのクリアボールにアルシャハラニ選手がペナルティエリアの外からゴールを狙う場面を作ります。
しかし、冷静な対応を続けた日本は、前半半ばから中盤での攻防で優位に立つと、次々と攻撃を展開。相手DFラインの裏を狙ったフィードに大迫勇也選手(ヴィッセル神戸)や伊東選手が鋭く反応し、29分には伊東選手が右サイドからペナルティエリアに切り込んで近い距離からシュートを放ち、30分にもペナルティエリア右からシュート性のクロスボールを中へ送ります。
先制点はその流れでした。32分、右サイドで酒井宏樹選手(浦和レッズ)が出した鋭い縦パスに伊東選手が猛ダッシュ。マークについて自分より前にいた相手DFを一瞬の加速で抜いてパスに追いつくと、中へクロスボールを送ります。大迫選手がスルーし、抜けたボールを受けた南野選手が、間合いを詰めてきた相手DFとGKを冷静に見て左へ回り込み、左足を振って先制ゴールを決めました。南野選手は7戦連続得点をマークした昨年6月の2次予選タジキスタン戦以来のゴールです。
プレーリズムをつかんだ日本はその後も積極的に仕掛け、守備でもブロックを敷いて2戦連続先発となった谷口彰悟選手(川崎フロンターレ)と板倉滉選手(シャルケ04)のセンターバックペアを中心に冷静な対応を見せ、相手ボールを奪って素早い攻撃につなげます。前半40分の伊東選手のシュート場面も、中盤の高い位置で相手を囲い込んで奪ったボールを田中碧選手(フォルトゥナ・デュッセルドルフ)が前線に出したパスを受けての展開でした。
前半を1-0リードで折り返すと、日本は後半開始から再び攻撃に拍車をかけます。
48分には右サイドをオーバーラップした酒井選手が右クロスを送り、ペナルティエリア左サイドに走り込んだ南野選手が左足で合わせますが、わずかに枠を捉えることができません。
試合が再び動いたのはその2分後でした。右サイドでの組み立てから丁寧にパスを繋いで遠藤航選手(VfBシュツットガルト)、南野選手とつないで左へ展開すると、パスを受けた長友佑都選手(FC東京)が中へ折り返します。これを捉えた伊東選手が、右足を振り抜いて強烈なシュートでゴールネットを揺らしました。
サウジアラビアは選手交代でFWハッタ・バヘブリ選手やFWハリド・アルガンナム選手ら若手を送り込んで反撃の糸口を探ります。後半半ばにはDFサウード・アブドゥルハミド選手がクリアボールに反応してミドルシュートで狙いますが、GK権田修一選手(清水エスパルス)がしっかりセーブしてゴールを割らせません。
日本は主導権を握りながら落ち着いて試合を運び、68分には前田大然選手(セルティック)、中山雄太選手(PECズヴォレ)を投入。その10分後には浅野拓磨選手(VfLボーフム)も送り込み、前線にスピードのある選手を置いて相手にプレッシャーをかけます。
82分には酒井選手の右クロスに浅野選手がゴール前で合わせ、その5分後には前田選手も右クロスにゴール前で狙いますが、いずれも相手GKに阻まれて追加点にはなりません。しかし、日本は終盤に原口元気選手(1.FCウニオン・ベルリン)を投入してしっかり試合を締め、相手のシュートを2本に抑えて上位対決を制しました。予選初黒星となったサウジアラビアとの勝点差は1となりました。
他会場では、3位のオーストラリアがアウェイでオマーンと対戦し、終了間際のPKで追いつかれて2-2で引き分け、日本との勝点が3差に開きました。オマーンは3位以内の可能性が消滅です。
この結果、日本は次節3月24日のアウェイでのオーストラリア戦に勝てば、1試合を残して7大会連続でのワールドカップ出場が決まります。
なお、グループAでは韓国がアウェイでシリアに2-0の勝利を収めて、前節突破を決めたイランに続いて2位以内が確定。10大会連続での出場権を手にしました。イランはホームでUAEに1-0で勝って、韓国に勝点2差のリードで首位をキープ。4位のレバノンはホームでイラクと1-1で引き分けて、3位UAEとの勝点差を3に縮めて、3位の可能性をかけて残り2試合に臨みます。
次節は3月24日(木)、最終節は同月29日(火)の開催です。各グループ2位以内が自動突破となり、3位は3位同士によるアジア予選プレーオフに臨みます。その勝者が残り1枠をかけて、南米予選5位との大陸間プレーオフへ進出します。
監督・選手コメント
森保一 SAMURAI BLUE(日本代表)監督
コロナ禍で国内開催が難しい状況の中で、今回の中国戦とサウジアラビア戦をホームで戦うことができました。埼玉スタジアムでサポーターの声援という後押しを受けて、選手たちが躍動して勝つことができました。開催にご尽力いただいた多くの方々にお礼を申し上げます。
中国戦から気持ちを切り替えて、選手たちは練習からいい緊張感と集中力を持って質の高い取り組みで、この試合へ向けて良いエネルギーを作ってくれました。サウジアラビアは非常にレベルの高いチームですが、さらに強い相手を想定した素晴らしい練習をして良い準備をできたことが、この勝利につながったと思います。相手はサイドにいい選手がいてサイド攻撃を強みにしているので、攻撃の選択肢としてそのスペースをつくことができると、チームとして共通理解を持って臨みました。相手に攻め込まれたところから攻撃に移るところでは、選手たちが状況を見て良い判断をしてくれた。どこでどうついていけばいいか、ピッチ上での良い判断が、あの先制場面でのカウンターにつながったと思います。
DF #4 板倉滉 選手(シャルケ04/ドイツ)
この2試合はチャンスだと思って来ていましたし、「なんとしても勝点3」と思って臨んでいました。それが2試合で達成できたのでよかったです。90分通して全員集中していましたし、最終ラインも確認の声を90分間切らさずにやっていました。そういうことを、こまめに丁寧にやったことが失点ゼロという結果につながったと思います。サウジアラビアは前の試合よりも迫力もありましたし、うまい選手も多くて、押し込まれる時間があることは想定内でした。後ろが踏ん張って、相手にボールを獲られたあとも、みんなでしつこく守備にいけていて、それが2次攻撃につながっていました。目立ったミスもなかったと思います。この2試合の勝ちは大きいですが、まだ2試合あって、ワールドカップ出場が決まったわけではありません。そこへ向けてやっていきます。
DF #5 長友佑都 選手(FC東京)
スタジアムの応援の雰囲気がすごく伝わってきて、今日は絶対の最高のパフォーマンスをしようと思って臨みました。たくさんの批判もいただきましたが、その批判が心に火をつけてくれました。自分にとってはガソリン。必要なものだと感じましたし、追い込まれるほど、逆境になるほど力を発揮できると思っています。これは生きるか死ぬかの試合で、今日できなければ自分は代表にいるべきではないと考えて、魂を込めて戦いました。逆側のサイドバックが時間を作ってくれて僕が高い位置を獲ることができましたし、南野選手も含めてみんな、すごく良いプレーができました。やはり、左サイドの躍動も停滞も自分次第で、あのくらい躍動できないとならないと改めて感じましたし、まだまだ自分はできると感じています。
MF/FW #6 遠藤航 選手(VfBシュツットガルト/ドイツ)
今日の相手にはアウェイで負けていたのでホームで絶対に借りを返そうと試合に入って、いい形で2点獲って勝つことができました。良かったと思います。中盤3人の距離感は常に意識していて、誰がDFラインからボールを受けて前に付けるのかなどのバランスは意識してプレーできたと思います。前半と後半に少しブロックを敷くシーンがありましたが、そこは割り切ってしっかり守ってカウンターを狙うと、チームとしてはっきりしてました。相手に持たせながらしっかりやっていくことを意識してやれていました。2連勝できて、次はキャプテンも戻ってきます。一緒に、みんなでまた集まって、ワールドカップ出場を決めたいです。
MF/FW #10 南野拓実 選手(リバプールFC/イングランド)
絶対になにがなんでも勝ちたかった試合で、攻撃の選手として試合に出ている以上、ゴールという結果でチームに貢献したいと思っていました。最終予選で得点できていなかったことにはそこまで気負ってはいなかったですが、チームのために貢献したいと思っていたので、どんな形でも決まってよかったです。左サイドもチームとしても自分たちのストロングポイントを出せるように、ポジショニングやタイミングなどを常に考えています。僕は中盤で前を向いてゴールへ仕掛けることや、ペナルティエリアでの仕事、長友選手がなるべく高い位置でプレーできることなど考えていて、前の試合から改善できたポイントの1つだと思います。今日は非常に重要な勝点3を獲れましたが、まだなにも決まっていません。ラスト2試合に勝ってワールドカップ出場を決めたいです。
MF/FW #13 守田英正 選手(CDサンタ・クララ/ポルトガル)
練習からニアゾーンのポケットを意識して、そこで獲ってからの展開を意識していました。中国戦の先制もそこから生まれましたし、そこを突けば相手もいやだと分かっていました。うまく突けたのでよかったと思います。伊東選手はスピードがあって角を獲るのがうまくて、相手も嫌がっていたのが分かりました。後半も前田選手が押し込む形でGKと1対1になっていて、形として良くなっていると思います。中盤の3枚のなかでは、自分は少し高い位置を意識してプレーしていました。田中選手とは話をしなくても分かっているところがありますし、遠藤選手が中にどっしりと構えていてくれて、3人の関係性は日を追うごとに良くなっていると思います。
MF/FW #14 伊東純也 選手(KRCヘンク/ベルギー)
今日絶対に勝たなくてはいけない試合で、みんな攻守にわたって戦えていたと思います。先制点の場面では相手のサイドバックがついてきたんですが、うまく入れ替わることができて、中に大迫選手と南野選手が見えたので、「あそこに入れたら決めてくれるかな」と思って入れました。自分の得点場面は、シュートは打たないと入らないので思い切って打とうと考えて、ふかさないことを意識して打ったら、うまくいきました。2点目を獲りたいと思って後半に入っていたので、ゴールが獲れて良かったですが、あのシュートは個人的には半分ラッキーというか…。それよりも、アシストやサイドでクロスを上げたのがよかったと思っています。最初は3戦2敗で厳しい状況でしたが、みんなが諦めずに一丸となってやってきたことで、ワールドカップが近づいてきていると思います。
エルベ・ルナール サウジアラビア代表監督
日本は勝利にふさわしい戦いをしました。おめでとうと言いたい。難しい試合になることは分かっていましたが、我々は前半の負傷交代が響きました。そもそもサレム・アルファルジ選手が負傷でいない上に、アルマルキ選手を失いました。今日の試合では自分たちの弱点ばかりが目につきました。サッカーはシンプルなもので、技術不足やボール獲得ができなければ次に進めません。3チームでの混戦は当初から予想していたことです。この結果でも我々の首位は変わりませんし、まだ2試合あり、3チームとも重要な対戦を残しています。
アジア最終予選(Road to Qatar)
2022年2月1日(火) 19:10 キックオフ(予定)vs サウジアラビア代表
会場:埼玉/埼玉スタジアム2002
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