1992
第10回 アジアカップ(広島)
- 開催国:日本
- 優勝:日本【初】
- 準優勝:サウジアラビア
- 3位:中国
- MVP:三浦 和良(日本)
- 得点王:Fahad Al Bishi(サウジアラビア)3得点
第10回目となる1992年大会は翌年にJリーグ開幕を控える日本の広島で開催された。
日本は前回大会に続く2度目の出場となったが、同年に“こけら落とし”となった広島広域公園陸上競技場(通称“広島ビッグアーチ”)で、快挙を成し遂げる。
オランダ人のハンス・オフト監督が率いる日本は初戦でアラブ首長国連邦(UAE)とスコアレスドロー。続く朝鮮民主主義人民共和国戦では前半の早い時間にPKで先制されると、69分に三浦知良がPKを外してしまう。嫌な流れの中で、日本を救ったのは中山雅史だった。北澤豪に代わり、79分に勝負のカードとして送り出された中山はピッチに入って2分で同点ゴールを決める。三浦の蹴ったCKに頭で合わせたシュートはディフェンスにクリアされたが、ラインを割ったという判定で、ゴールが認められたのだ。2引き分けで、3試合目になんとか望みを繋いだ日本は終盤の猛攻と井原正巳の攻撃参加が実る形で、三浦のゴールにより強豪のイランを1-0で破った。この時「魂込めました、足に」という三浦の名言が生まれた。
準決勝の中国戦は松永成立の退場など、難しい展開を強いられながら、中山雅史の決勝ゴールで3−2と勝利。決勝では”アジアの大砲”と呼ばれる高木琢也の豪快なボレーシュートで、サウジアラビアを1-0で下して初優勝。 オフト監督は開幕前から、アメリカワールドカップ予選に向けたプロセスであることを強調していたが、アジアの大舞台で、日本が新たな歴史を開いた大会となった。
-
1992.10.30
グループステージ第1戦
アラブ首長国連邦△ 0 - 0
-
1992.11.1
グループステージ第2戦
朝鮮民主主義人民共和国△ 1 - 1
(80’ 中山雅史) -
1992.11.3
グループステージ第3戦 イラン
○ 1 - 0
(85’ 三浦知良) -
1992.11.6
準決勝 中国
○ 3 - 2
(48’ 福田正博 57’ 北澤豪 84’ 中山雅史) -
1992.11.8
決勝 サウジアラビア
○ 1 - 0
(36’ 高木琢也)
優勝
GK
- 1松永 成立(横浜マリノス)
- 19前川 和也(サンフレッチェ広島)
DF
- 2大嶽 直人(横浜フリューゲルス)
- 3勝矢 寿延(横浜マリノス)
- 4堀池 巧(ヴェルディ川崎)
- 5柱谷 哲二(横浜マリノス)Cap.
- 6都並 敏史(ヴェルディ川崎)
- 7井原 正巳(横浜マリノス)
- 13阪倉 裕二(ジェフユナイテッド市原)
MF
- 8福田 正博(浦和レッズ)
- 10ラモス 瑠偉(ヴェルディ川崎)
- 12山田 隆裕(横浜マリノス)
- 14北澤 豪(ヴェルディ川崎)
- 15吉田 光範(ヤマハ)
- 17森保 一(サンフレッチェ広島)
FW
- 9武田 修宏(ヴェルディ川崎)
- 11三浦 知良(ヴェルディ川崎)
- 16中山 雅史(ヤマハ)
- 18神野 卓哉(横浜マリノス)
- 20高木 琢也(サンフレッチェ広島)
監督
- ハンス・オフト
1996
第11回 アジアカップ(アラブ首長国連邦)
- 開催国:アラブ首長国連邦
- 優勝:サウジアラビア
- 準優勝:アラブ首長国連邦
- 3位:イラン
- MVP:Khodadad Azizi ホダッド・アジジ
(イラン) - 得点王:Ali Daei アリ・ダエイ(イラン)8得点
12カ国に拡大した第11回大会はアラブ首長国連邦で開催。
ゾーンプレスの伝道師として知られた加茂周監督が率いる日本は井原正巳、高木琢也、三浦知良など、94年ワールドカップのアジア最終予選で「ドーハの悲劇」を経験した選手たちを主軸として、新たに10番を背負う名波浩、アトランタオリンピックで世界を経験した前園真聖などが加わったチーム構成だった。
シリア、ウズベキスタン、中国を相手に三連勝を飾り、首位突破で連覇を期待する声も高まったが、準々決勝でクウェートに0-2の敗戦を喫してしまい、日本の戦いはベスト8で終わってしまった。攻め込んでもゴールを奪いきれず、ロングボールの処理やゴール前での連携ミスが重なっての2失点。
試合後、三浦は「相手のハートが強かった」とコメントを残した。ただ、ピッチ外の難しさが、パフォーマンスに影響した一面もあっただろう。12月の開催と言っても日中は暑く、気候の変化に選手たちは苦しめられた。また食事面でも苦労したことが、後日談として伝えられる。大会の最終結果はサウジアラビアが優勝、開催国のアラブ首長国連邦が準優勝、ベスト4を中東の国が占めたことからも、地の利が結果に出た大会とも言える。
その後、代表チームの海外での暑熱対策や食事面のサポートが改善されていくが、そうした意味でも日本代表チームに課題を提示してくれた大会だった。その一方で、名波浩と山口素弘のボランチ・コンビが確立されるなど、悲願のワールドカップ初出場を目指す予選に向けて、ベースが構築された大会としても記憶に刻まれていくべきだろう。
-
1996.12.6
グループステージ第1戦 シリア
○ 2 - 1
-
1996.12.9
グループステージ第2戦
ウズベキスタン○ 4 - 0
(7’ 名波浩 37’ 三浦知良 86’ 89’ 前園真聖) -
1996.12.12
グループステージ第3戦 中国
○ 1 - 0
(89’ 相馬直樹) -
1996.12.15
準々決勝 クウェート
● 0 - 2
ベスト8
GK
- 1小島 伸幸(ベルマーレ平塚)
- 19下川 健一(ジェフユナイテッド市原)
- 20楢﨑 正剛(横浜フリューゲルス)
DF
- 2柳本 啓成(サンフレッチェ広島)
- 3相馬 直樹(鹿島アントラーズ)
- 4井原 正巳(横浜マリノス)Cap.
- 5小村 徳男(横浜マリノス)
- 12路木 龍次(サンフレッチェ広島)
- 16斉藤 俊秀(清水エスパルス)
- 17秋田 豊(鹿島アントラーズ)
MF
- 6山口 素弘(横浜フリューゲルス)
- 7本田 泰人(鹿島アントラーズ)
- 8前園 真聖(横浜フリューゲルス)
- 10名波 浩(ジュビロ磐田)
- 13服部 年宏(ジュビロ磐田)
- 15森島 寛晃(セレッソ大阪)
FW
- 9高木 琢也(サンフレッチェ広島)
- 11三浦 知良(ヴェルディ川崎)
- 14岡野 雅行(浦和レッズ)
- 18城 彰二(ジェフユナイテッド市原)
監督
- 加茂 周
2000
AFC アジアカップ レバノン2000
- 開催国:レバノン
- 優勝:日本【2回目】
- 準優勝:サウジアラビア
- 3位:韓国
- MVP:名波 浩(日本)
- 得点王:Lee Dong-gook(韓国)6得点
10月にレバノンで行われた第12回大会。2002年W杯の開催国である日本代表にとっては貴重な真剣勝負の機会だった。
1998年のフランスワールドカップに出場したメンバーに、シドニーオリンピックでベスト8となった若い世代を融合したチーム構成。
”フラット3”をベースに攻撃的なスタイルを掲げるフィリップ・トルシエ監督のもと、グループリーグの初戦では前回王者のサウジアラビアに4-1の勝利。柳沢敦、高原直泰、名波浩、小野伸二が得点、唯一の失点もオウンゴールだった。ウズベキスタン戦も8-1と大勝した日本は2試合で首位突破が確定。3試合目はカタールに1-1で引き分けたが、先発メンバーを入れ替えることができたことが、決勝トーナメントに向けたアドバンテージになった。
準々決勝で日本はイラクにも4ー1の勝利を飾る。準決勝の中国戦はミスからピンチを招くシーンも目立ち、後半途中に1ー2とリードを許す嫌な流れだった。しかし、名波浩のクロスバー直撃弾から西澤明訓のダイビングヘッドで同点ゴール。そして西澤が右から出したパスを明神智和が右足で捉えて、決勝のゴールを突き刺した。
決勝は攻守の要である稲本潤一を累積警告で欠く中、初戦で大勝したサウジアラビアに厳しい戦いを強いられた。それでも前半に左のFKを中村俊輔が蹴ると、ゴール前に飛び込んだ望月重良が合わせて先制。守護神の川口能活を中心に、相手の猛攻を耐え抜いて、2度目のアジア制覇を成し遂げた。
-
2000.10.14
グループステージ第1戦
サウジアラビア○ 4 - 1
(26’ 柳沢敦 37’ 高原直泰 53’ 名波浩 88’ 小野伸二) -
2000.10.17
グループステージ第2戦
ウズベキスタン○ 8 - 1
(7’ 森島寛晃 14’ 25’ 49’ 西澤明訓 18’ 20’ 58’ 高原直泰 79’ 北嶋秀朗) -
2000.10.20
グループステージ第3戦 カタール
△ 1 - 1
(61’ 西澤明訓) -
2000.10.24
準々決勝 イラク
○ 4 - 1
(7’ 28’ 名波浩 11’ 高原直泰 62’ 明神智和) -
2000.10.26
準決勝 中国
○ 3 - 2
(21’ オウンゴール 53’ 西澤明訓 61’ 明神智和) -
2000.10.29
決勝 サウジアラビア
○ 1 - 0
(29’ 望月重良)
優勝
GK
- 1川口 能活(横浜F・マリノス)
- 20高桑 大二朗(鹿島アントラーズ)
- 21下田 崇(サンフレッチェ広島)
DF
- 3松田 直樹(横浜F・マリノス)
- 4森岡 隆三(清水エスパルス)Cap.
- 6服部 年宏(ジュビロ磐田)
- 22中澤 佑二(ヴェルディ川崎)
- 26海本 慶治(ヴィッセル神戸)
MF
- 8望月 重良(京都パープルサンガ)
- 10名波 浩(ジュビロ磐田)
- 11三浦 淳宏(横浜F・マリノス)
- 12森島 寛晃(セレッソ大阪)
- 14中村 俊輔(横浜F・マリノス)
- 15奥 大介(ジュビロ磐田)
- 17稲本 潤一(ガンバ大阪)
- 24明神 智和(柏レイソル)
- 30小野 伸二(浦和レッズ)
FW
- 9西澤 明訓(セレッソ大阪)
- 13柳沢 敦(鹿島アントラーズ)
- 19久保 竜彦(サンフレッチェ広島)
- 27北嶋 秀朗(柏レイソル)
- 29高原 直泰(ジュビロ磐田)
監督
- フィリップ・トルシエ
2004
AFC アジアカップ 中国2004
- 開催国:中国
- 優勝:日本【3回目】
- 準優勝:中国
- 3位:イラン
- MVP:中村 俊輔(日本)
- 得点王:Ali Karimi(イラン)/A’ala Hubail
(バーレーン)5得点
参加国が16に増えた中国大会は夏季の7月から8月にかけて行われた。ジーコ監督が率いる日本は前回王者として期待された。
初戦は中村俊輔のゴールでオマーンに勝利し、2戦目も中村の2試合連続ゴールなどでタイを4-1で破った日本は、最終戦を残してグループリーグ突破を確定させた。
しかしグループリーグ最終戦イランとはスコアレスドロー、準々決勝もヨルダン相手に1-1で決着がつかずPK戦にもつれ込んでしまい波に乗り切れない。第一キッカーの中村、第二キッカーの三都主アレサンドロが外したことで一層と苦しい展開に陥るも、ここからが今大会のハイライトだった。キャプテンの宮本恒靖がレフェリーにコミュニケーションを図り、ヨルダンの2人目からサイドが変更される。そこから川口能活のビッグセーブなどの末、日本が準決勝進出を決めた。
準決勝のバーレーン戦では、後半アディショナルタイムに前線まで攻め上がった、中澤佑二のダイビングヘッドで3-3の同点に追い付き、延長戦にもつれ込んだ激闘はロングパスから3人を突破した玉田圭司のゴールで2大会連続での決勝進出を果たす。
開催国の中国との決勝戦では絶対的なアウェーの雰囲気にも負けず、3-1の勝利で連覇を達成。
アテネオリンピックのオーバーエイジに選ばれた小野伸二や高原直泰など、それまで日本代表の主力を担ってきた多くの選手が欠場する中で、新たにチャンスを得た選手たちが活躍し、ドラマチックな展開で掴んだ優勝だった。
-
2004.7.20
グループステージ第1戦 オマーン
○ 1 - 0
(34’ 中村俊輔) -
2004.7.24
グループステージ第2戦 タイ
○ 4 - 1
(21’ 中村俊輔 56’ 87’ 中澤佑二 68’ 福西崇史) -
2004.7.28
グループステージ第3戦 イラン
△ 0 - 0
-
2004.7.31
準々決勝 ヨルダン
○ 1 - 1
[PK 4 – 3](14’ 鈴木隆行) -
2004.8.3
準決勝 バーレーン
○ 4 - 3
(48’ 中田浩二 55’ 93’ 玉田圭司 90’ 中澤佑二) -
2004.8.7
決勝 中国
○ 3 - 1
(22’ 福西崇史 65’ 中田浩二 90+1’ 玉田圭司)
優勝
GK
- 1楢﨑 正剛(名古屋グランパスエイト)
- 12土肥 洋一(FC東京)
- 23川口 能活(FCノアシェラン/デンマーク)
DF
- 3田中 誠(ジュビロ磐田)
- 5宮本 恒靖(ガンバ大阪)Cap.
- 14三都主 アレサンドロ(浦和レッズ)
- 17三浦 淳宏(東京ヴェルディ1969)
- 18松田 直樹(横浜F・マリノス)
- 21加地 亮(FC東京)
- 22中澤 佑二(横浜F・マリノス)
- 25茶野 隆行(ジェフユナイテッド市原)
MF
- 4遠藤 保仁(ガンバ大阪)
- 6中田 浩二(鹿島アントラーズ)
- 8小笠原 満男(鹿島アントラーズ)
- 10中村 俊輔(レッジーナ/イタリア)
- 15福西 崇史(ジュビロ磐田)
- 16藤田 俊哉(ジュビロ磐田)
- 24西 紀寛(ジュビロ磐田)
- 26山田 卓也(東京ヴェルディ1969)
FW
- 11鈴木 隆行(鹿島アントラーズ)
- 19本山 雅志(鹿島アントラーズ)
- 20玉田 圭司(柏レイソル)
監督
- ジーコ
2007
AFC アジアカップ2007
- 開催国:4カ国共催(インドネシア、マレーシア、タイ、ベトナム)
- 優勝:イラク
- 準優勝:サウジアラビア
- 3位:韓国
- MVP:Younis Mahmoud(イラク)
- 得点王:Younis Mahmoud(イラク)/Yasser Al Qahtani(サウジアラビア)/高原 直泰(日本)4得点
前回大会から3年後に東南アジアのインドネシア、マレーシア、タイ、ベトナムによる4カ国共催で開催された2007年大会は、OFCからAFCに転籍したオーストラリアが初めて参加した。
日本を率いるイビチャ・オシム監督は就任から1年間で、水野晃樹や羽生直剛など、多くの選手を初招集しており、フレッシュなメンバー構成で三連覇を目指すことに。
カタールとの初戦は高原直泰が先制点をあげたが、終盤に追いつかれて1-1の引き分け。いきなり暗雲が垂れ込みかけたが、続くアラブ首長国連邦との試合でも高原が前半の早い時間帯に2点を決めて、さらに中村俊輔がPKで追加点、後半に1点を返されたが3-1で勝利を飾る。3試合目は開催国ベトナムにオウンゴールでリードされたものの、巻誠一郎が2点を叩き込むなど終わってみれば4-1の大勝で首位突破を果たした。
準々決勝の相手はアジアカップ初参加となったオーストラリア。前年のドイツワールドカップで敗れた難敵との戦いは後半にセットプレーからリードを許すも、クロスボールを巻誠一郎が折り返し、高原が粘り強く決めて同点。延長でも決着が付かず臨んだPK戦では、前回大会ヨルダン戦を思い出させる川口能活の2連続セーブなどで日本は準決勝に進出した。
しかし、サウジアラビアに2-3で競り負け3大会連続の決勝進出を逃すと、3位決定戦では韓国を相手に0-0の末、PK戦で敗退、日本は4位で大会を終えた。決勝ではイラクがサウジアラビアを破り、初優勝となった。
-
2007.7.9
グループステージ第1戦 カタール
○ 1 - 1
(60’ 高原直泰) -
2007.7.13
グループステージ第2戦
アラブ首長国連邦○ 3 - 1
(22’ 27’ 高原直泰 42’ 中村俊輔) -
2007.7.16
グループステージ第3戦 ベトナム
○ 4 - 1
(12’ 59’ 巻誠一郎 31’ 遠藤保仁 52’ 中村俊輔) -
2007.7.21
準々決勝 オーストラリア
○ 1 - 1
[PK 4 – 3](72’ 高原直泰) -
2007.7.25
準決勝 サウジアラビア
● 2 - 3
(37’ 中澤佑二 53’ 阿部勇樹) -
2007.7.28
3位決定戦 韓国
● 0 - 0
[PK 5 – 6]
4位
GK
- 1川口 能活(ジュビロ磐田)Cap.
- 18楢﨑 正剛(名古屋グランパスエイト)
- 23川島 永嗣(川崎フロンターレ)
DF
- 2今野 泰幸(FC東京)
- 3駒野 友一(サンフレッチェ広島)
- 5坪井 慶介(浦和レッズ)
- 6阿部 勇樹(浦和レッズ)
- 21加地 亮(ガンバ大阪)
- 22中澤 佑二(横浜F・マリノス)
- 29伊野波 雅彦(FC東京)
MF
- 7遠藤 保仁(ガンバ大阪)
- 8羽生 直剛(ジェフユナイテッド千葉)
- 9山岸 智(ジェフユナイテッド千葉)
- 10中村 俊輔(セルティック/スコットランド)
- 13鈴木 啓太(浦和レッズ)
- 14中村 憲剛(川崎フロンターレ)
- 24橋本 英郎(ガンバ大阪)
- 28太田 吉彰(ジュビロ磐田)
FW
- 11佐藤 寿人(サンフレッチェ広島)
- 12巻 誠一郎(ジェフユナイテッド千葉)
- 15水野 晃樹(ジェフユナイテッド千葉)
- 19高原 直泰(アイントラハト・フランクフルト/ドイツ)
- 20矢野 貴章(アルビレックス新潟)
監督
- イビチャ・オシム
2011
AFC アジアカップ カタール2011
- 開催国:カタール
- 優勝:日本(4回目)
- 準優勝:オーストラリア
- 3位:韓国
- MVP:本田 圭佑(日本)
- 得点王:ク・ジャチョル(韓国)5得点
カタールで開催された第15回大会。
2014年ブラジルワールドカップを目指すアルベルト・ザッケローニ監督が、日本代表を率いて僅か半年足らずで迎えた大会だったが、イタリア人の指揮官はキャプテンの長谷部誠や本田圭佑など、南アフリカワールドカップのメンバーを軸に、吉田麻也など若い選手を組み込み短期間でチームを作り上げていった。
グループリーグはヨルダン、シリア、サウジアラビアと全て中東圏の国で、地の利は相手側にある中、試合を重ねるごとに適応し、パフォーマンスを上げていった。ヨルダン戦は終了間際に吉田がチームを危機から救うセットプレーからのゴールで1-1の引き分け。続くシリア戦は終盤に本田のPKで勝ち越し、2-1で勝利。グループリーグ突破が懸かった3試合目は、2連敗で既に敗退が決まっていたサウジアラビア。日本は岡崎慎司のハットトリックなど大量5得点を奪って、グループ首位で準々決勝に進んだ。
2002年ワールドカップで初出場ながらベスト8まで勝ち上がったセネガル代表を率いたことで”名将”の呼び声高いブルーノ・メツ監督が率いる開催国カタールとの試合はシーソーゲームとなった。2-2で迎えた終盤、いつの間にか攻め上がっていた伊野波雅彦が、香川と相手GKが交錯したこぼれ球を押し込み、激戦を制した。韓国との準決勝は2-2でPK戦となるが、川島永嗣の活躍で勝利。
オーストラリアとの決勝は両者譲らず、0ー0のまま迎えた延長線戦の後半、左サイドバックからサイドハーフにポジションを上げていた長友佑都のクロスを李忠成がボレーで突き刺し、アジアカップ史上でも最も美しいゴールの1つと呼ばれる決勝点で日本が4度目のアジア王者に輝いた。
-
2011.1.9
グループステージ第1戦 ヨルダン
○ 1 - 1
(90+2’ 吉田麻也) -
2011.1.13
グループステージ第2戦 シリア
○ 2 - 1
(35’ 長谷部誠 82’ 本田圭佑) -
2011.1.17
グループステージ第3戦
サウジアラビア○ 5 - 0
(8’ 13’ 80’ 岡崎慎司 19’ 51’ 前田遼一) -
2011.1.21
準々決勝 カタール
○ 3 - 2
(29’ 71’ 香川真司 90’ 伊野波雅彦) -
2011.1.25
準決勝 韓国
○ 2 - 2
[PK 3 – 0](36’ 前田遼一 97’ 細貝萌) -
2011.1.29
決勝 オーストラリア
○ 1 - 0
(109’ 李忠成)
優勝
GK
- 1川島 永嗣(リールセSK/ベルギー)
- 21西川 周作(サンフレッチェ広島)
- 23権田 修一(FC東京)
DF
- 2伊野波 雅彦(鹿島アントラーズ)
- 3岩政 大樹(鹿島アントラーズ)
- 4今野 泰幸(FC東京)
- 5長友 佑都(ACチェゼーナ/イタリア)
- 6内田 篤人(シャルケ04/ドイツ)
- 12森脇 良太(サンフレッチェ広島)
- 20永田 充(浦和レッズ)
- 22吉田 麻也(VVVフェンロ/オランダ)
MF
- 7遠藤 保仁(ガンバ大阪)
- 8松井 大輔(グルノーブル/フランス)
- 10香川 真司(ボルシア・ドルトムント/ドイツ)
- 13細貝 萌(FCアウクスブルク/ドイツ)
- 14藤本 淳吾(名古屋グランパス)
- 15本田 拓也(鹿島アントラーズ)
- 16柏木 陽介(浦和レッズ)
- 17長谷部 誠(VfLヴォルフスブルク/ドイツ)Cap.
- 18本田 圭佑(CSKAモスクワ/ロシア)
FW
- 9岡崎 慎司(VfBシュツットガルト/ドイツ)
- 11前田 遼一(ジュビロ磐田)
- 19李 忠成(サンフレッチェ広島)
監督
- アルベルト・ザッケローニ
2015
AFC アジアカップ オーストラリア2015
- 開催国:オーストラリア
- 優勝:オーストラリア
- 準優勝:韓国
- 3位:アラブ首長国連邦
- MVP:マッシモ・ルオンゴ(オーストラリア)
- 得点王:アリ・アマハド・マブフート(アラブ首長国連邦)5得点
南半球のオーストラリアで1月に開催された2015年大会では、ハビエル・アギーレ監督が率いる日本はイラク、ヨルダン、パレスチナと中東の3カ国と同じ組に。
2014年のブラジルワールドカップから主力のメンバーは大きく変わっていなかったが、柴崎岳など、その後の日本代表を長く支えていく選手にとって最初の大舞台でもあった。
初戦パレスチナに遠藤保仁のゴールなどで4-0と完勝し、イラクにはフィジカルの強さを生かした守備などに苦しめられるも、本田圭佑のPKで、1-0で勝利。この時点でグループリーグ突破はほぼ見えていたが、アギーレ監督は1、2試合目と同じスターティングメンバーでヨルダンと戦うことを選択。2ー0で勝利し、3連勝でグループリーグ首位突破を決めたものの、3試合同じスターティングメンバーで臨んだことが準々決勝でアラブ首長国連邦にPK戦で敗れ、連覇を目指した大会を早期敗退で終えてしまう一因となってしまう。
アラブ首長国連邦を率いたマハディ・アリ監督は日本の試合を徹底的に分析して、対策を立てていたという。前半7分にディフェンスの背後を破られて失点、その後も終盤まで苦しい時間が続いた。途中出場の柴崎が81分に本田圭佑との見事なワンツーで中央を破り、ミドルシュートで同点ゴールを決めたことで延長戦にもつれ込むも、逆転ゴールは奪えないままPK戦に。最後は6人目のキッカー香川真司のシュートが左ポスト内側に当たって跳ね返り、日本の敗退が決まった。
決勝では開催国のオーストラリアが韓国を破ってアジアカップ初優勝を果たした一方で、日本は大会後に、在任半年でアギーレ監督が退任することとなり、苦い記憶として刻まれる大会となった。
-
2015.1.12
グループステージ第1戦 パレスチナ
○ 4 - 0
(8’ 遠藤保仁 25’ 岡崎慎司 43’ 本田圭佑 49’ 吉田麻也) -
2015.1.16
グループステージ第2戦 イラク
○ 1 - 0
(23’ 本田圭佑) -
2015.1.20
グループステージ第3戦 ヨルダン
○ 2 - 0
(24’ 本田圭佑 82’ 香川真司) -
2015.1.23
準々決勝 アラブ首長国連邦
● 1 - 1
[PK 4 – 5](81’ 柴崎岳)
ベスト8
GK
- 1川島 永嗣(スタンダール・リエージュ/ベルギー)
- 12西川 周作(浦和レッズ)
- 23東口 順昭(ガンバ大阪)
DF
- 2植田 直通(鹿島アントラーズ)
- 3太田 宏介(FC東京)
- 5長友 佑都(インテル・ミラノ/イタリア)
- 6森重 真人(FC東京)
- 16塩谷 司(サンフレッチェ広島)
- 19昌子 源(鹿島アントラーズ)
- 21酒井 高徳(VfBシュツットガルト/ドイツ)
- 22吉田 麻也(サウサンプトン/イングランド)
MF
- 7遠藤 保仁(ガンバ大阪)
- 8清武 弘嗣(ハノーファー96/ドイツ)
- 10香川 真司(ボルシア・ドルトムント/ドイツ)
- 15今野 泰幸(FC東京)
- 17長谷部 誠(アイントラハト・フランクフルト/ドイツ)Cap.
- 20柴崎 岳(鹿島アントラーズ)
FW
- 4本田 圭佑(ACミラン/イタリア)
- 9岡崎 慎司(1.FSVマインツ05/ドイツ)
- 11豊田 陽平(サガン鳥栖)
- 13小林 悠(川崎フロンターレ)
- 14武藤 嘉紀(FC東京)
- 18乾 貴士(アイントラハト・フランクフルト/ドイツ)
監督
- ハビエル・アギーレ
2019
AFC アジアカップ UAE 2019
- 開催国:アラブ首長国連邦
- 優勝:カタール
- 準優勝:日本
- MVP:アルモエズ・アリ(カタール)
- 得点王:アルモエズ・アリ(カタール)9得点
森保一監督がSAMURAI BLUEの監督として臨んだ最初の大会は苦い経験となった。
参加国が24に拡大されて、決勝トーナメントがラウンド16からスタートする新しいレギュレーションとなったが、日本は順調にトルクメニスタン、オマーン、ウズベキスタンに勝利して、3連勝でグループリーグを突破した。
ラウンド16で強豪サウジアラビアと激突したが、大会当時20歳の冨安健洋がCKからヘディングシュートを決めて前半のうちにリードを奪うと、猛攻にしっかりと耐えて逃げ切った。準々決勝は徹底した堅守速攻を強みとするベトナムに苦しめられたが、冨安と同じ東京五輪世代の堂安律が、自分で奪ったPKを決めて、2試合続けて1-0の勝利でベスト4進出を決める。
しかし、ロースコアとなった2試合の試合内容から悲観的な声も強まる中、迎えた準決勝イラン戦。前半は互角だったが、後半の早い時間帯に相手ディフェンスがオフサイドをセルフジャッジした隙を突いて、大迫勇也が先制ゴールを決め、続けてPKで追加点を奪い、更には終了間際に原口元気がダメ押しゴールを奪った。守備面でも冨安とキャプテン吉田麻也のセンターバックコンビが相手攻撃陣を完封、無失点で3-0の勝利で決勝進出を決めると長友佑都は試合後のミックスゾーンで「スーパーゲーム」と叫んだ。
しかし、決勝ではカタールの可変性の高いビルドアップに翻弄され、前からの守備が上手くはまらないまま、前半に立て続けの失点を喫した。後半に南野拓実が1点を返すも、終盤にPKを取られてしまい最終的には1-3で試合終了。準優勝という悔しい結果に終わってしまったが、この経験が2022年カタールワールドカップを目指すSAMURAI BLUEの成長に必要な大きな糧となった。
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2019.1.9
グループステージ第1戦
トルクメニスタン○ 3 - 2
(56’ 60’ 大迫勇也 71’ 堂安律) -
2019.1.13
グループステージ第2戦 オマーン
○ 1 - 0
(28’ 原口元気) -
2019.1.17
グループステージ第3戦
ウズベキスタン○ 2 - 1
(43’ 武藤嘉紀 58’ 塩谷司) -
2019.1.21
ラウンド16 サウジアラビア
○ 1 - 0
(20’ 冨安健洋) -
2019.1.24
準々決勝 ベトナム
○ 1 - 0
(57’ 堂安律) -
2019.1.28
準決勝 イラン
○ 3 - 0
(56’ 67’ 大迫勇也 90+1’ 原口元気) -
2019.2.1
決勝 カタール
● 1 - 3
(69’ 南野拓実)
準優勝
GK
- 1東口 順昭(ガンバ大阪)
- 12権田 修一(サガン鳥栖)
- 23シュミット・ダニエル(ベガルタ仙台)
DF
- 2三浦 弦太(ガンバ大阪)
- 3室屋 成(FC東京)
- 4佐々木 翔(サンフレッチェ広島)
- 5長友 佑都(ガラタサライSK/トルコ)
- 16冨安 健洋(シントトロイデンVV/ベルギー)
- 17青山 敏弘(サンフレッチェ広島)
- 18塩谷 司(アルアイン/UAE)
- 19酒井 宏樹(オリンピック・マルセイユ/フランス)
- 20槙野 智章(浦和レッズ)
- 22吉田 麻也(サウサンプトン/イングランド)Cap.
MF
- 6遠藤 航(シントトロイデンVV/ベルギー)
- 7柴崎 岳(ヘタフェCF/スペイン)
- 8原口 元気(ハノーファー96/ドイツ)
- 9南野 拓実(ザルツブルク/オーストリア)
- 10乾 貴士(デポルティボ・アラベス/スペイン)
- 14伊東 純也(柏レイソル)
- 21堂安 律(FCフローニンゲン/オランダ)
FW
- 11北川 航也(清水エスパルス)
- 13武藤 嘉紀(ニューカッスル・ユナイテッド/イングランド)
- 15大迫 勇也(ベルダー・ブレーメン/ドイツ)
監督
- 森保 一