チームヒストリー
2021.12
2021

大岩監督就任

パリオリンピック出場を目指すU-21日本代表の監督に、U-18日本代表を率いていた大岩剛監督が就任した。2017年6月から約2年半の間、鹿島アントラーズの監督を務め、18年にはAFCアジアチャンピオンズリーグで優勝。「鹿島時代のアジアでの戦い、FIFAクラブワールドカップでの欧州や南米のチーム、中南米勢との対戦などの経験も期待されている部分」と就任の経緯を説明し、「日本代表に負けていい試合はない。目の前の試合に勝つところを全面に出しながらファン、サポーターの方に楽しんで、応援してもらえるチームにしていきたい」と意気込みを語った。なお、コーチングスタッフには、コーチに羽田憲司氏、GKコーチに浜野征哉氏、フィジカルコーチに矢野由治氏が就任した。

2022.03
2022

Dubai Cup U-23 初の海外遠征を最高の形で締めくくる

アラブ首長国連邦(UAE)で開催されたDubai Cup U-23が、パリオリンピックを目指すチームの初陣となった。国内組、海外組を合わせて25人のメンバーがタイトなスケジュールの中で大会に臨んだが、指揮官は「厳しい条件を乗り越えるのも代表チームの使命」と話し、選手にタフさを求めた。初戦のクロアチア戦は荒木遼太郎のパスを受けた小田裕太郎が決めて1-0で勝利。中2日で迎えた続くカタール戦は初戦から8人メンバーを変更して戦い、「誰が出ても日本代表のサッカーができる」という指揮官の言葉を体現すると、斉藤光毅、山本理仁のゴールで勝利をつかんだ。第2戦を終えて6選手が先に帰国することになったが、「代表では常に起こりうること。出られる選手で対応していく」と大岩監督は冷静に語り、サウジアラビアとの決勝に臨む。山本のCKから細谷真大がネットを揺らし、1-0でアジアの強豪を撃破。連動したプレスとセットプレーは大会期間中に重点的にトレーニングしていたが、しっかり結果につなげ、チームにとって実りある大会となった。

2022.06

AFC U23アジアカップ ウズベキスタン2022 3位で大会を終える

世代的に上のカテゴリーに当たる大会ながら、日本はパリオリンピックを目指すU-21年代の代表で臨んだ。初戦のUAE戦で2-1の勝利を収めた後、サウジアラビアとは0-0で引き分けたものの、タジキスタンに3-0で快勝。グループDを2位で突破し、準々決勝に駒を進めた。「年上」のライバル、韓国との試合も持ち味を存分に示し、3ゴールを集めて完勝する。しかし中2日での5連戦目で迎えた開催国ウズベキスタンとの準決勝は、相手よりも準備期間が1日少ないこともあり、本来のプレーを見せられなかった。序盤から動きが重く、0-2で完敗。始動以来、初の敗戦を経験した。ただし3位決定戦では、大岩監督が求める「リバウンドメンタリティ」を発揮。23人の選手がそれぞれの立場で戦う姿勢を見せ、チーム一丸となってオーストラリアに3-0で勝利を収めた。

2022.09

国際親善試合(スイス・イタリア)

2022年9月、3カ月ぶりとなる活動でU-21日本代表は欧州遠征を実施し、スペインでスイス戦、イタリアでイタリアと国際親善試合を戦った。Dubai Cup U-23のクロアチア戦以来の欧州勢との対戦になったスイス戦は、9分にCKから失点する苦しい展開となる。15分にこの遠征で初招集された大畑歩夢のボール奪取から斉藤光毅へつなぎ、最後は細谷真大がGKとの1対1を制して同点に追いついたが、後半開始直後の48分に再び失点。その後は何度か攻めの形を作り出したものの、1-2で敗れた。試合後、大岩監督は「セットプレーの対応や時間帯に応じたプレー」を反省点に挙げた。中3日で臨んだ続くイタリア戦では修正力を示した。前半はプレスが空転するケースが多く、相手の圧力に押されて39分にミスから失点。だが後半は選手交代とシステム変更(4-3-3から4-2-3-1)で流れを引き寄せ、56分に途中出場の藤尾翔太のヘディングで追いついた。試合はそのままドローで決着。U-21欧州選手権を翌年に控える強豪国との連戦を1分け1敗で終えた。

2022.11

国際親善試合(スペイン・ポルトガル)

FIFAワールドカップカタール2022が開催された2022年11月、U-21日本代表は同年2度目の欧州遠征に臨んだ。チームの立ち上げから「SAMURAI BLUE(日本代表)経由パリオリンピック行き」を掲げ、選手に成長を求めてきた大岩監督は活動に際し、「4年後はみんなが(日本代表の)主役になっていないといけない」とさらなる奮起を促した。スペイン戦は、前半は互角の戦いを演じたものの、後半に2失点。特に1失点してから相手のパスワークに翻弄される場面が目立ち、追いかける展開になったときのプレーに課題が残った。一方、ポルトガル戦では小田裕太郎の得点で前半に先制に成功。後半、藤尾翔太のハンドでPKを献上したものの、アディショナルタイムに藤尾が汚名返上のゴールを記録し、勝利を収めている。「選手自身が、もっとレベルアップしなければと気づくことを期待していた。それはできたと思う」と指揮官は強豪国との2試合を総括した。

2023.03
2023

国際親善試合(ドイツ・ベルギー)

2023年最初の活動は、パリオリンピック世代のチームとして3度目となる欧州遠征だった。同時期に活動するSAMURAI BLUE(日本代表)にバングーナガンデ佳史扶、半田陸が招集され、U-22日本代表には立ち上げ後、最多となる5人の海外組を招集。大岩監督は「選手層が着実に厚くなっている」と状況を前向きに捉えた。ドイツとの初戦は前半にPKで先制されたが、直後にCKから佐藤恵允が決めて追いつくなど粘り強さを発揮する。後半開始直後には佐藤が持ち込み、細谷真大が決めて勝ち越しに成功。その後、同点とされて勝利こそ逃したものの、強豪と互角に渡り合った。ドイツ戦から7人先発を入れ替えて臨んだベルギー戦は序盤から苦しい戦いを強いられ、5分、20分とミスから失点を重ねた点は反省材料だが、後半に4-3-3から3-4-2-1にシステムを変更するなど修正を施し、状況は改善してみせた。マンツーマンの守りで守備を安定させ、攻撃機会を増やすと、54分にはCKから佐藤、64分にはショートカウンターから鈴木唯人が決めて同点に追いつく。86分に三たびミスから失点し、結局2-3で敗れることになったが、「得点できていることは素晴らしい」と指揮官が振り返った通り、収穫も多い試合になった。

2023.06

国際親善試合(イングランド・オランダ)

9月に開催されるAFC U23アジアカップカタール2024予選に向けた最後の活動として、U-22日本代表は4度目の欧州遠征を行った。U-21欧州選手権直前で、非公開で実施されたイングランドとの試合は、相手のコンディションが万全ではなかったこともあり、日本が持ち味を存分に発揮。2-0で快勝した。大岩監督は「意図的に攻撃する部分、守備する部分を出せた」点を評価した。中3日で臨んだ続くオランダ戦では、序盤こそ相手に押されるが、適応力を示して盛り返すと、後半は攻勢になった。結局スコアを動かすことはできず、0-0で引き分けたが、「アグレッシブにやれた」と指揮官は守備面を評価。一方で攻撃面については「自信を持ってボールを動かすところ、やり続けるところを前半からできるようにしたい」と課題を口にした。

2023.09

AFC U23アジアカップ カタール 2024予選
AFC U23アジアカップ カタール 2024の出場権を獲得!

AFC U23アジアカップカタール2024予選がバーレーンで開催された。U23アジアカップがパリオリンピック予選を兼ねるため、オリンピック出場を懸けた公式戦でもある。日本はチームの立ち上げから名を連ねてきた選手を中心に、5月のFIFA U-20ワールドカップアルゼンチン2023に出場した松木玖生や高井幸大を加えた23人で臨んだ。初戦はパキスタンに6-0、2戦目はパレスチナに1-0で勝利。3戦目のバーレーン戦は0-0に終わったが、日本は勝ち点7でグループステージ首位となり、U23アジアカップ出場を決めた。とりわけポイントになったのは、初戦でバーレーンを破っていたパレスチナとの2戦目だった。守備に軸足を置く相手に対して、日本はペナルティーエリアの脇のスペースを果敢に突いていく。そして23分に山本理仁のスルーパスに反応した小田裕太郎がそのスペースからクロスを供給。藤尾翔太が蹴り込み、見事に決勝点を挙げた。

2023.10

第19回アジア競技大会(2022/杭州) 惜しくも銀メダルに終わる

AFC U23アジアカップカタール2024予選の1週間後に、中国の杭州でアジア競技大会が開幕した。日本は大学生10人を含む22人のメンバーで臨んだ。カタールに3-1、パレスチナに1-0で勝利を収めてグループステージを突破すると、ノックアウトステージもミャンマーに7-0、朝鮮民主主義人民共和国に2-1、ホンコン・チャイナに4-0と順調に勝ち進む。韓国との決勝も、先制したのは日本だった。2分、佐藤恵允のクロスボールのこぼれ球に反応した内野航太郎がゴールを突き刺す。しかし、海外組を招集し、オーバーエイジを活用する韓国相手にその後は劣勢となった。27分と56分に失点。相手の圧力に抗えず逆転を許すと、そのまま押し切られた。最後に涙をのむ形となったが、大岩監督は「勝ち進むに連れて良いチームになった」と代表経験の浅い選手たちの成長を評価。アジア勢とのタフな戦いの連続は、選手にとって貴重な経験となった。

2023.10

国際親善試合(メキシコ・アメリカ)

欧州勢、アジア勢と多く対戦し、経験を積んだU-22日本代表だが、アメリカ、メキシコといったCONCACAF(北中米カリブ海サッカー連盟)に属する国との対戦は初めてだった。初戦のメキシコ戦は序盤、相手に押し込まれるシーンが目立ったものの、14分に細谷真大がボール奪取からそのままゴールを決めて日本が先制。その後もミドルプレスから攻めの形をつくると、20分に再び細谷、終盤の81分に鈴木海音、82分に追加招集の内野航太郎がネットを揺らして4ゴール。73分の1失点はあったものの、完勝と言える内容で日本がメキシコを下した。続くアメリカ戦は、メキシコ戦から5人先発を入れ替えて臨んだものの、相手の身体能力の高さとスピードに苦しめられた。チェイス アンリのパスを奪われて失点した後、松木玖生のゴールで一度は追いつく。しかし、その後は失点を重ね、1-4で完敗。立ち上げ以来最多となる失点での敗戦に「試合で出るのは自分の力。そこに目を背けず次に向けて良いレッスンにしよう」と大岩監督は選手に語りかけ、成長の糧とすることを誓った。

2023.11

国際親善試合(アルゼンチン)

パリオリンピック世代初の国内試合が大岩監督の地元、静岡で行われた。相手はチームにとって初めてとなる南米勢、強豪アルゼンチン。しかし日本は臆することなくアグレッシブなプレーを見せる。18分に松木玖生の縦パスを受けた佐藤恵允が先制すると、直後に連係ミスから同点にされ、後半開始早々に直接FKを決められて逆転を許すが、そこから怒とうの攻撃が始まった。66分と75分にいずれも半田陸のパスを受けた鈴木唯人がネットを揺らして再び勝ち越しに成功。81分には松村優太、88分には福田師王がゴールを決めて日本が5-2で強豪に快勝した。ただ、試合後に大岩監督は「スタイルを出して戦えた点は収穫だが、流れをつかめなかった時間もあった」と反省。さらなる成長の必要性に言及した。なお、この試合の3日後にも非公開でアルゼンチンと対戦。結果はスコアレスドローに終わっている。

2024.03
2023

国際親善試合(マリ・ウクライナ)

オリンピックイヤー最初の活動で、日本はアフリカ第3代表のマリ、欧州の代表として既に本大会の出場権を得ているウクライナと対戦した。AFC U23アジアカップ前、最後の活動でもあり、メンバーの見極めという点からも重要な機会だった。マリ戦は開始2分に山田楓喜のFKから平河悠がゴールを決めたものの、初のアフリカ勢との対戦だったためか、相手の身体的なアドバンテージや間合いをつかみ切れず、特に序盤は後手に回るシーンが目立ち、ミスが頻発。前半に1点、後半に2点を決められて完敗した。一方、予選や本大会と同じ中2日の日程で、マリ戦から先発を10人入れ替えて臨んだウクライナ戦では、見違える姿を披露。積極的にボールを動かし、後半に佐藤恵允と田中聡が得点を挙げ、2-0で快勝した。大岩監督は活動を振り返り「選手たちが姿勢、意気込みを示し、やるべきことをやって良いゲームをしてくれた。(予選に向けた)23人を決め切れないというのが率直な気持ち」と選手たちの取り組みを称えた。

2024.05

AFC U23アジアカップ カタール2024 苦闘乗り越え頂点に

当初、1月に開催予定だった大会は、各国リーグが進行中の4月開催に変更されたため、選手の招集に制限のかかる中でチームを編成する必要があった。招集した海外組は5人のみ。しかし、大岩監督は「これが現状のベスト」と語り、パリオリンピック出場の懸かる大会に強い姿勢で臨んだ。初戦の中国戦は松木玖生のゴールで先制した後、西尾隆矢が17分に退場する厳しい戦いとなったが、1-0で勝ち切ってみせる。2戦目のUAE戦に2-0で勝ち、3戦目の韓国戦は0-1で敗れたものの、準々決勝のカタール戦を延長戦の末に4-2で制して、勝てばパリ行きが決まる準決勝のイラク戦を迎えた。28分に荒木遼太郎のスルーパスを受けた細谷真大が先制点を決めると、42分に藤田譲瑠チマのラストパスを受けた荒木がネットを揺らし、2点をリード。後半はイラクの猛攻を浴びることになったが、GK小久保玲央ブライアンを中心に集中した守りで無失点に抑え、見事に8大会連続となるオリンピック出場を決めた。決勝のウズベキスタン戦は序盤から相手のプレッシャーに苦しめられたが、粘り強い守備と素早い攻守の切り替えで対抗。後半アディショナルタイムに山田楓喜の左足シュートが決まり、2016年大会以来となる優勝を飾った。「自分たちのやりたいこととリアリティーの中で、選手自身が判断して戦ってくれたことを評価したい」と大岩監督は劣勢の中でも最後まで戦い抜き、結果をつかんだ選手を称賛した。

2024.06

メンバー発表前最後の国際親善試合(アメリカ)

前年の10月に対戦し、完敗を喫したアメリカと国際親善試合を行った。パリオリンピック出場を決めているチーム同士の対戦は2試合実施され、初戦は非公開。2戦目は日本が2-0で勝利を収めた。相手はオーバーエイジを活用し、本大会仕様のチーム編成だったものの、序盤から日本が圧倒。ハイプレスとショートカウンター、サイドチェンジで主導権を握り続け、6分に藤尾翔太、69分に細谷真大がネットを揺らし、快勝した。今回の遠征は、パリオリンピックに臨むメンバー発表前、最後の代表活動でもあったが、クラブ事情もあり不参加が続いていた斉藤光毅、三戸舜介らが久々に招集されたほか、佐野航大を初招集。大岩監督は「いろいろな意味で収穫があった。オリンピックに向けて戦術的なこと、技術的なこと、選手の感情などもしっかり見えた」と活動を振り返った。

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